スイスの視点を10言語で

スイスの飲食店、客の電話番号を収集 感染追跡のため

Measuring spaces in a restaurant
スイスの飲食店は11日から再び営業できるが、社会的距離を取るなど厳しい感染対策が必要だ Keystone

スイスの飲食業界は11日のレストラン・バーの営業再開に当たり、各店が守るべき感染予防策の要綱をまとめた。感染者が出た場合に接触者を追跡調査できるよう、顧客の氏名や電話番号の記録・保管を求める。

ホテル・レストラン業界団体「ガストロ・スイス」が5日発表した予防要綱外部リンクによると、顧客は1グループ4人まで(大家族を除く)、テーブル間の間隔を2メートル以上確保しなければならない。

飲食店にテーブル番号とともに顧客の名前や電話番号、訪問日時の記録を求める。これらのデータを14日間保持してから、完全に削除する。

要綱は新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者を追跡調査できるよう、スイス連邦保健庁と連邦食品安全局との協議に基づいて作成された。ただ業界からは、作業が煩雑すぎるとの批判が上がっている。ヴォー州レストラン業協会のジル・マイストル会長は「大きなマイナス点だ」と批判した。

連邦データ保護委員会外部リンクの広報官はドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーに対し、提供された情報が正しいかの検証や感染者の追跡は民間レストランの責務ではないと話した。「コロナ封じ込め目的の氏名・電話番号の収集は、原則として自主的に行われるべきだ」との見解を示している。 

レストランやバーで立ったままの飲食は禁止される。また顧客が入店時に石けんと水で手を洗うか消毒できるように設備を整える必要がある。

適切な感染予防策を講じ、接客時間を短くしたり、他の給仕手段を用意したりするなど、店員が顧客との接触を「できるだけ少なく」することを求める。店員のマスク着用は推奨にとどめ、義務付けてはいない。

おすすめの記事
レストラン

おすすめの記事

スイスのロックダウン緩和第2弾 何が解除される?

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは5月11日から、新型コロナウイルスに伴うロックダウンの緩和第2弾が始まる。国内の小中学校は休校が解除され、レストラン・文化施設は厳しい感染予防対策の下で営業を再開する。

もっと読む スイスのロックダウン緩和第2弾 何が解除される?

ニュース

Finmaのロゴ

おすすめの記事

スイス金融当局新トップ、「経営陣の個人責任を追及」

このコンテンツが公開されたのは、 スイス金融市場監督機構( FINMA)の新長官に就いたシュテファン・ヴァルター氏は、監督権限の強化を求めていく立場を明確にしている。非協力的な銀行経営陣をFINMAが解任する権限も必要だとみる。

もっと読む スイス金融当局新トップ、「経営陣の個人責任を追及」
花粉症の女の子

おすすめの記事

高濃度の花粉で血圧上昇 スイス研究

このコンテンツが公開されたのは、 花粉の飛散量が高まるとアレルギー患者の血圧を上昇させることが、スイスの研究で分かった。女性や太りすぎの人では特に影響が大きい。

もっと読む 高濃度の花粉で血圧上昇 スイス研究
ロジャー・フェデラー

おすすめの記事

フェデラーの艇庫建設に反対運動 「湖岸への出入りを阻害」

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの元テニス選手、ロジャー・フェデラーさんが計画するチューリッヒ湖畔のボートハウス(艇庫)建設に対し、「人々の湖畔の往来を阻害する」として反対する声が上がっている。

もっと読む フェデラーの艇庫建設に反対運動 「湖岸への出入りを阻害」
スーツ姿の男性と女性

おすすめの記事

スイス公共放送協会、次期会長に初の女性トップ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス公共放送協会(SRG SSR)は25日に開いた総会で、次期会長にドイツ語圏スイス公共放送(SRF)で文化部長を務めるジャーナリストのスザンネ・ヴィレ氏(50)を選出した。女性のトップ就任は初めて。

もっと読む スイス公共放送協会、次期会長に初の女性トップ
EPFL

おすすめの記事

スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス下院委員会は連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)の留学生の学費をスイス人学生の3倍に引き上げる案を可決した。27日に始まる夏期本会議で審議する。

もっと読む スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決
チューリヒにある国際サッカー連盟(FIFA)の本部

おすすめの記事

FIFA、脱スイスに向け定款改正

このコンテンツが公開されたのは、 国際サッカー連盟(FIFA)は17日、本部をスイス・チューリヒ以外に移せるよう定款を改正した。

もっと読む FIFA、脱スイスに向け定款改正
眼下に広がる町と湖

おすすめの記事

ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心

このコンテンツが公開されたのは、 6月15~16日に開催されるウクライナ平和サミットの舞台として、ルツェルン湖を望むホテル「ビュルゲンシュトック・リゾート」が注目を浴びている。かつては庶民も受け入れられる高級リゾートして地元に愛されていたが、近年は事情が違うようだ。

もっと読む ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部