スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が29日発表した1~6月期決算は952億フラン(約13兆3千億円)の赤字となった。株式・債券相場の下落が響き、100年以上の歴史で最大の赤字額を記録した。
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1~3月期に328億フラン、4~6月期に624億フランの赤字となった。赤字幅はエコノミスト予想を上回った。
外貨準備が974億フランの損失を計上した。債券など有利子証券の相場下落が487億フラン、株価下落が440億フランの損失を生んだ。為替相場による損失も103億フランに上る。利子収入は33億フラン、配当収入は23億フランにとどまった。
金の保有量は横ばいで、24億フランの評価益を生んだ。フラン建て資産は3510万フランとわずかにプラスだった。
SNBは声明外部リンクで、決算は金価格や外国為替市場、資本市場の動向に大きく依存していると強調した。「このため大きな変動が予想され、年度決算は暫定的な予想しかできない」と述べた。
例えば2021年は1~3月期と4~6月期に黒字、7~9月期と10~12月期に赤字となり、通年では260億フラン超の黒字だった。2020年は200億フランの黒字だった。
一方、株式相場の下落やフラン高騰で大きな損失を生んだ年もある。15年は230億フラン超、18年は150億フラン近い赤字を計上した。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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