スイスの身分証明システム企業「プロシビス(Procivis)外部リンク」は4日、非政府組織(NGO)と連携し、ミャンマーから逃れた350万人のイスラム系少数民族ロヒンギャにブロックチェーン技術を使った身分証明書を配布すると発表外部リンクした。ロヒンギャの基本的な人権を守り、外国に身を寄せざるを得ない人々に必要な支援が届くシステムを築く。
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ロヒンギャの支援をするNGO「ロヒンギャ・プロジェクト外部リンク」は、ブルマ(現ミャンマー)政府が国籍法を制定した1982年以降、ロヒンギャを取り巻く状況は悪化するばかりだと訴える。ロヒンギャはこの法律により国籍を剥奪され、国から一切の書類が発行されなくなった。
ロヒンギャ・プロジェクトの共同創業者で理事長のムハンマド・ノーア氏は、4日の共同声明で「私自身もロヒンギャであり、無国籍ということがどんな状態なのか、よく理解している」と訴えた。ロヒンギャにとって安全な電子身分証明書は「単に持っていれば得するというレベルではなく、必要不可欠なもの」と位置づけ、「もしロヒンギャが無国籍になった1982年時点でこうしたものが発行されていたら、今抱えている多くの苦難に直面せずに済んだだろう」と力説した。
声明では、ロヒンギャ難民は現在、公的な身分証明者がないため「政府による支援の受給や地域社会に溶け込むことが出来ない」という。
プロシビスの運営するシステムでは、五つの手順を踏めばロヒンギャに電子身分証明書が発行される。同社は「ロヒンギャ・プロジェクトとの連携は、安全な電子証明書を世界中に供給するというプロシビスの幅広なビジョンを礎とした、初めての非営利の取り組みだ」とコメントした。
世界銀行によると、世界には身分を証明できない人が11億人いる。世銀の「開発のための身分証明イニシアティブ(Identification for Development Initiative)外部リンク」は、国連が「持続可能な開発目標(SDGs)」に定めた「2030年までに、すべての人々に出生登録を含む公的な身分証明を提供する」という項目の達成を目指している。
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ある難民は、自分がスイスに行き着くなど思ってもみなかった。彼はジンバブエを出発した飛行機の中で、自分がその国について知っていることがあるかを考えてみた。しかし思い浮かぶことはあまりなかった。
「チョコレートの国ということは知っていた」と、難民のマンボ・ムホズイェニコノさんは話す。故郷を逃れた彼は、匿名を条件に取材に応じてくれた。チューリヒ近郊に暮らし始めて7カ月が経つ。
飛行機に乗ったその日、彼はスイスで英語が通じるかどうかわからず、不安だった。
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欧州の難民申請 その動向
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2016年、EUおよびEFTA諸国(スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)で登録した難民申請希望者は123万人以上。シリア、アフガニスタン、イラクといった紛争地域の国からの出身者が半数以上を占めた。
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