スイスの視点を10言語で

景観と生物多様性の保護を 環境団体がイニシアチブ発議

sprawl
環境保護のため都市開発計画の凍結を求める案は2月の国民投票で否決されたばかりだが、環境団体は新たなイニシアチブ(国民発議)を提起した © Keystone / Eq Images / Moritz Hager

スイスで四つの環境団体が2件のイニシアチブ(国民発議)を提起した。一つは生物の多様性を守ること、もう一つは土地開発の拡大を防ぎ環境を守ることだ。

両イニシアチブの発起人はプロ・ナチュラ外部リンクバード・ライフ・スイス外部リンクスイス文化財保護協会外部リンクスイス景観保護基金外部リンクの4団体。背景には、連邦議会が自然を保護するための規制を緩めすぎているとの懸念がある。提起から18カ月に当たる2020年9月26日までに、有権者10万人分以上の署名を集めれば、国レベルの国民投票にかけることができる。

≫スイスの「イニシアチブ」とは?

景観保護イニシアチブ外部リンク」は、建築地区外への建設に関してより明確なルールを設けることを提案する。発起人によると、建築地区(開発利用に適した土地として州が指定する区域。区域外の開発には一定の条件を満たし、州の許可を得ることが必要)の外に昨年建てられた建築物は2000軒を超える。うち400軒は住宅用だった。発起人は、連邦政府が昨年末に発表した都市計画法第2改正案では、十分な環境保護策を講じていないと指摘する。

≫都市開発の凍結を問う国民投票で否決

生物多様性イニシアチブ外部リンク」は、連邦・州政府に生物多様性の保護・促進を求める。具体的には、生物多様性の維持にかかる費用や土地を連邦・州政府が保証する案だ。

ニュース

ビクトリノックスのアーミーナイフ製造現場

おすすめの記事

ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスアーミーナイフの製造で知られるビクトリノックス社は、世界で広まるナイフ規制強化の波に対応するため、刃のないモデルの開発に取り組んでいる。カール・エルズナー最高経営責任者(CEO)がスイス紙のインタビューで明かした。

もっと読む ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
管制室

おすすめの記事

スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。

もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
裁判所のドア

おすすめの記事

「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。

もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
財布からお金を取り出す人

おすすめの記事

スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。

もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
対空防衛システム

おすすめの記事

米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触

このコンテンツが公開されたのは、 米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。

もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
UBSの看板

おすすめの記事

スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。

もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部