スイス人農家の自殺者数はその他の男性平均に比べ4割近く高い。背景には将来や金銭不安がある。
このコンテンツが公開されたのは、
ドイツ語圏の日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥングによると、1991~2014年の間に447人の農家が自殺したことが分かった。スイス連邦科学基金(SNSF)の助成を受けベルン大が農家9千人のデータをまとめた。
近年、地方に住むスイス人男性の自殺率は低下する傾向にある。だが農家に限ると03年以降上昇を続けており、地方在住の男性平均より自殺者数が37%多くなっている。
主な自殺理由は将来への不安や金銭的な悩み、後継者問題や孤独だ。
スイス農家組合のマーク・リッター理事長は「大変憂慮すべき事実だ」と語った。
スイスに農家は5万2千軒あり、大半は小規模だ。年に約1000軒が廃業し、少数の大規模農家が生き残る傾向にある。
連邦内務省保健局外部リンクによると、スイスでは毎日2~3人が自ら命を絶つ。中でも75歳以上の男性の自殺が多い。
スイス連邦政府が2016年にまとめた自殺防止大綱には、社会の「気付き」を促す、身近な支援の手を整備する、国内外の良事例を広める、など10項目が盛り込まれた。2030年までに自殺数(ほう助による自殺を除く)を16年比で25%減らすことが目標だ。そのためには年間300人の自殺を防ぐ必要がある。
おすすめの記事
スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス下院委員会は連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)の留学生の学費をスイス人学生の3倍に引き上げる案を可決した。27日に始まる夏期本会議で審議する。
もっと読む スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決
おすすめの記事
FIFA、脱スイスに向け定款改正
このコンテンツが公開されたのは、
国際サッカー連盟(FIFA)は17日、本部をスイス・チューリヒ以外に移せるよう定款を改正した。
もっと読む FIFA、脱スイスに向け定款改正
おすすめの記事
ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
このコンテンツが公開されたのは、
6月15~16日に開催されるウクライナ平和サミットの舞台として、ルツェルン湖を望むホテル「ビュルゲンシュトック・リゾート」が注目を浴びている。かつては庶民も受け入れられる高級リゾートして地元に愛されていたが、近年は事情が違うようだ。
もっと読む ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
おすすめの記事
スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
このコンテンツが公開されたのは、
気候変動の影響で、スイスで花粉症患者が増加している。有症率は2割で、経済損失は最大で年間6900億円に上る。
もっと読む スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
おすすめの記事
ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も
このコンテンツが公開されたのは、
欧州国別対抗の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」の決勝が11日、スウェーデン南部マルメで行われ、「ノンバイナリー」を自認するスイス代表のNemo(24)が優勝した。会場周辺ではイスラエル参加に対する大規模な抗議活動も行われた。
もっと読む ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も
おすすめの記事
スイス北東部でオーロラ観測
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北東部のゼンティス山頂で6日未明、オーロラが観測された。
もっと読む スイス北東部でオーロラ観測
おすすめの記事
ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアーミーナイフの製造で知られるビクトリノックス社は、世界で広まるナイフ規制強化の波に対応するため、刃のないモデルの開発に取り組んでいる。カール・エルズナー最高経営責任者(CEO)がスイス紙のインタビューで明かした。
もっと読む ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
おすすめの記事
スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。
もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
おすすめの記事
「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。
もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
続きを読む
おすすめの記事
スイスの悩み相談窓口 利用者急増
このコンテンツが公開されたのは、
昨年、スイスのホットライン「Tel143 - 支援の手」が応じた心の問題や個人的な悩みに関する相談件数はおよそ10%増加した。
もっと読む スイスの悩み相談窓口 利用者急増
おすすめの記事
アルプスでの移牧生活 エリッヒ家の過酷な毎日
このコンテンツが公開されたのは、
まるでハイジに出てくるような山の牧場での生活は、ロマンチックなだけではない。確かに雄大な山の景色は素晴らしいが、陽が長い分、朝から晩まで肉体労働に追われる。それでも毎年夏になると何千もの「移牧民」が家畜の群れを引き連れて高地へと移動する。その中にはカンデル谷のライヘンバッハに住む5人家族、エリッヒ家の姿もあった。夏の間10週間はベルナーオーバーランドにあるエングストリーゲンアルプの山の牧場で過ごす。まだ外国人労働者の手を借りずに済んでいるが、子ども達の協力は不可欠だ。
もっと読む アルプスでの移牧生活 エリッヒ家の過酷な毎日
おすすめの記事
スイスの自殺防止策
このコンテンツが公開されたのは、
スイスではさまざまな自殺防止策が取られているが、それぞれが十分に連携しているとは言いがたい。連邦政府は10日の世界自殺予防デーにあわせ、改善策を打ち出した。
もっと読む スイスの自殺防止策
おすすめの記事
スイス農業団体、シンクタンクの改革案に猛反発
このコンテンツが公開されたのは、
シンクタンクのアヴニール・スイスは、スイスの農業政策には年200億フラン(約2兆3千億円)と莫大な予算が注ぎ込まれ、改革が必要と訴える。その訴えは農業団体に大きな反発を食らった。
もっと読む スイス農業団体、シンクタンクの改革案に猛反発
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。