概観

1957年3月25日、西ドイツ、ベルギー、フランス、イタリア、ルクセンブルク、オランダの6カ国が二つの条約に調印し、欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体(Euratom)が設立された。この二つに欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)を加え欧州共同体(EC)が1967年に発足。これが、欧州連合(EU)の前身となった

EUの起源のローマ条約から60年 今EUが再び危うい だが「耐久性あり」とスイスの専門家

欧州連合(EU)の起源となったローマ条約。明日は、この条約が1957年3月25日に調印されてから、ちょうど60年目に当たる。ところが、EUが今ほど危ういときはないように見える。「だが、今よりもっと危機的な状況を何度も経験してきた」と、EUに詳しいルネ・シュヴォック教授は言う。 ...

レグラ・シュテンプフリ氏。政治・歴史学者
The parliamentary approval of the reform package is also a victory for Interior Minister Alain Berset
「2026年冬季五輪への準備は万全」との標語を掲げていたグラウビュンデン州政府だったが、市民に対し思い込み違いをしていた。市民は冬季五輪の招致を住民投票で拒否したのだ

五輪と民主主義 なぜグラウビュンデン州の住民は五輪招致を拒否し続けるのか

Stephanie Hess, Chur

スイス東部グラウビュンデン州でオリンピックの聖火が燃え上がる可能性が消えた。2026年冬季五輪のさらなる招致計画は、先日の住民投票で反対6割に達した。住民の反対により同州が冬季五輪の候補地にならなかったのは、この4年間でこれが2度目だ。13年の住民投票では、22年冬季五輪の招致計画が否決された...

2016年2月28日の国民投票で「外国人犯罪者の国外追放強化イニシアチブ」が否決され、喜ぶ反対派の人々
スイスの連邦主義は、国民投票において人口の少ない州を保護する

連邦主義 国民の9%の反対で否決?スイスの一票の格差、連邦主義の代償

米国のドナルド・トランプ新政権が始動した。大統領選では対抗馬のヒラリー・クリントン氏が得票数を上回ったにも関わらず、当選したのはトランプ氏という逆転現象が起きた。背景には、連邦主義に基づく選挙制度により、国民一人当たりの票の重みが州ごとに異なる「一票の格差」が深く関係している。一票の格差は日本...

今回の投票で最も注目を集めたのが、経済拠点としてのスイスの魅力を高めることを目的とした、第3次法人税改正法案。59.1%という圧倒的多数で否決された

2017年2月12日の国民投票結果 第3次法人税改正法案 政府の意図に反し圧倒的多数で否決

説田英香, 里信邦子

スイスの国民投票で12日、三つの案件についてその是非が問われ、第3次法人税改正法案は圧倒的多数で否決。一方、移民3世の国籍取得手続きの簡易化と国道と都市交通のための基金(NAF)設立に関する案件は、約6割の賛成と州の過半数の賛成で可決された。今回の投票率は46%だった。 ...

Bellinzona ist für seine drei mittelalterlichen Burgen bekannt, die zum Unesco-Welterbe gehören.

参加型プロセス 「新ベリンツォーナ」 市町村合併に住民の意思尊重

Sonia Fenazzi, Bellinzona

ティチーノ州の州都ベリンツォーナの人口はわずか1万8千人。だが、4月には隣接する他の12の市町村と合併し、4万3千人を数える中心市街地を形成することになる。ベリンツォネーゼ地域の統一を図るこのプロジェクトは、州が実行している包括的な市町村合併計画の一つ。重視すべき要素は住民参加、そして直接民主...

Des vents contraires soufflent contre les centrales nucléaires suisses: trois quarts des citoyens seraient en effet favorables à leur fermeture, selon une enquête VOTO.

政府から依頼された調査機関の発表 スイス人の76%が原発に反対、しかし脱原発はゆっくりと

里信邦子

「スイス人の76%が原発に反対している」という調査結果が先月末、発表された。昨年11月の国民投票にかけられた「脱原発イニシアチブ」は、54%の反対で否決されたものの、原発そのものにはこれだけの人が反対しているというのだ。ところが、この発表があった日、原子力発電を支持する右派・国民党が5万人を超...

高速道路が普及しているスイスだが、通勤ラッシュ時には渋滞がよく発生する。写真はティチーノ州メンドリージオの高速道路

2月12日の国民投票 道路インフラ 基金設立で財源確保なるか

スイスは道路交通網が最も普及している国の一つだ。道路インフラの維持や建設計画には多額の費用がかかるため、政府と連邦議会は「国道と都市交通のための基金(NAF)」の設立を目的とした憲法改正を呼びかけている。長期的な道路計画を可能にし、また財源を確保することが狙いだが、これには左派や環境派の一部が...

トランプ・タワー(ニューヨーク)のロビーで記者会見を行うドナルド・トランプ氏。かつてはここから500社以上の会社が属する「帝国」を統治していたが、今月20日以降はホワイトハウスから米国を統治する

オピニオン トランプ新米大統領、民主主義に立ちはだかる利益相反問題

Martin Naville, スイス米国商工会議所会頭

億万長者で不動産王のドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任することで、「利益相反」というテーマが新たに浮上した。これはスイスにとっても大きな意味を持つ。  民主主義が機能するには、国家権力の代表者が利益相反に当たる行為をしてはならず、職務を金銭などの個人的利害から切り離すことが重要だ。 ...

食べ物のサービス。これが自治体集会への市民参加を促す手っ取り早い方法?

自治体集会への参加 プレゼントがスイスの地域民主主義を救う?

Stephanie Hess (texte & vidéo)

焼いたソーセージに冷たいビールのサービス、無料の指定ゴミ袋やクーポン券の配布。スイスの多くの自治体は、市民にこうした「プレゼント」を提供することで、地域民主主義の中核である自治体集会への参加を促している。しかし、そもそも直接民主制にプレゼントは必要なのだろうか?

スイス北部ソロトゥルン州のゲスゲン原発。2016年10月14日

2016年11月27日の国民投票結果 スイスの国民投票「脱原発」を否決 今後のエネルギー政策は?

スイスで27日、国内に既存する5基の原発の運転期間を45年に制限し、2029年までに脱原発を達成することの是非を問う国民投票が行われたが、時期尚早のエネルギー転換は現実的でないとし、州の過半数が反対し否決された。脱原発イニシアチブ反対派にとって、今後のスイスのエネルギー政策は、どう展開していく...

Malgré le vote de dimanche, il est désormais largement admis qu'aucune nouvelle centrale nucléaire ne sera construite en Suisse. 

国民投票プレスレビュー スイス人は原発に反対、だが脱原発はゆっくりと

昨日27日に行われた国民投票で、緑の党提案の「脱原発イニシアチブ」は、投票者の54.2%の反対で否決された。「脱原発を否決したといっても、それがイコール原発支持ではないのだ」というのが、スイスメディアの全体的な反応だ。結局、国民の多くが政府の提案する「秩序ある脱原発」に従うことを選んだのだという。

ベツナウ第二原発内部の最後のセキュリティーの扉。もしイニシアチブが可決されていれば、このベツナウ第二とベツナウ第一原発、及びミューレベルク原発の3基が2017年末に運転を停止する予定だった。3基はいずれも、今年で47~48年間の運転になる

2016年11月27日の国民投票結果 スイスの脱原発イニシアチブ、否決

スイスで27日に行われた国民投票で、2029年に脱原発するよう求めるイニシアチブが投票者の54.2%の反対と州の過半数の反対で否決された。これでスイスは、政府が9月に決定した「エネルギー戦略2050」に従い、新規原発建設は凍結するものの、原発の運転期間に制限を設けずにいずれは脱原発するという「...

来年17年から再エネ100%の電力供給を行うジュネーブ州。同州の展示会場Palexpoの屋根4万5千平方メートルに、1万5千枚のソーラーパネルが2012年10月に設置された。これは、スイス最大のソーラーパークになる

2016年11月27日の国民投票 緑の党、脱原発しても「十分な再エネがスイスにはある」と主張

いよいよ27日の国民投票でスイス国民は、緑の党提案の「脱原発」を求めるイニシアチブに対し意見を表明する。もし可決されれば、17年末には5基の原発のうち3基が稼動を停止。最終的には最後の原発が稼動停止する2029年にスイスは脱原発を達成する。だが、イニシアチブに反対する政府は「原発に取って代わる...

イニシアチブ「脱原発」のポスター。スイス西部ヌーシャテルにて。

2016年11月27日の国民投票 福島第一原発事故はスイスのエネルギー政策にどのような影響を与えるのか

東京電力福島第一原発事故の後、スイス政府は長期にわたる段階的脱原発へ向けて「エネルギー戦略2050」を国会へ提案したが、緑の党は「脱原発」イニシアチブ(国民発議)を提起した。これらすべては同じ年2011年に起きた。2011年3月を境にスイスでも原発への議論が高まり、今月27日には国民投票で「脱...

Das Dorf Hinterrhein im Kanton Graubünden hat mit der Abwanderung zu kämpfen.

スイスのデモクラシー 国立公園めぐり割れる住民 27日に住民投票へ

11月27日にグラウビュンデン、ティチーノ州の17の自治体で「アデューラ公園」を巡る住民投票が行われる。スイス初の国立公園を創立した1914年とは異なり、今回は住民側が提案した。にもかかわらず、地元住民の反発は大きい。賛成派は説明会などを開き、反対派の不安を解こうと懸命だ。 ...

In der Schweiz liegt der älteste Atomreaktor der Welt: Beznau I

ファクトチェック 27日の国民投票、スイスの原発は「古くなりすぎて危険」なのか?

緑の党など、国民投票にかけられるイニシアチブ「脱原発」の支持者は、スイスの原発の多くが世界で最も古い施設に属し、その老朽化が大事故のリスクを格段に高める、と主張する。そうした事故は、スイスのように人口密度の高い国では破滅的な被害をもたらすという。 ...