フィリップモリス・インターナショナル外部リンクの電子たばこ「アイコス外部リンク(IQOS)」で、フィルターから有毒性の高い物質が出たとスイスの国内紙が報じた。
このコンテンツが公開されたのは、
ドイツ語圏の日曜紙ゾンタ―クス・ツァイトゥングの報道外部リンクによると、ベルン、ゾロトゥルン、フリブールの非営利団体ブルークロス外部リンクの委託で研究が行われた。
有毒物質はイソシアネートと呼ばれ、加熱したポリマーフィルターが100℃に達すると放出される。喫煙者がこの物質を吸い込んだかどうかは確認しなかったという。
スイス肺協会の元副代表で呼吸器専門医のライナー・ケリン氏は「アイコス使用中にイソシアネートが体内に入ると、非常に問題がある」と警告する。ごく微量でも深刻な健康被害を引き起こす可能性があるという。
自主規制
イソシアネートに体がさらされると、3カ月経った後でも病気を引き起こす可能性がある。イソシアネート吸引から「1年経過した後に致命的な病気を発症した」ケースもあるという。
フィリップモリスはこの問題を認識しているが、同社広報はゾンタ―クス・ツァイトゥングに対し、アイコスを使っても有毒物質を吸入することはないと述べた。
スイスでは現在、未成年者の電子たばこ利用規制に向けた法改正を進めている。昨年、スイスの電子たばこ製造業者と小売店は、法改正までの間、未成年者への販売を自主的に禁止することに同意した。
フィリップモリス・インターナショナルはスイスに研究開発センターを持つ。
おすすめの記事
ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアーミーナイフの製造で知られるビクトリノックス社は、世界で広まるナイフ規制強化の波に対応するため、刃のないモデルの開発に取り組んでいる。カール・エルズナー最高経営責任者(CEO)がスイス紙のインタビューで明かした。
もっと読む ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
おすすめの記事
スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。
もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
おすすめの記事
「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。
もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
おすすめの記事
製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大手製薬ノバルティスは22日、2025年で任期満了となるヨルク・ラインハルト取締役会長の後任に、ジョバンニ・カフォリオ氏を選出すると発表した。
もっと読む 製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
おすすめの記事
スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
このコンテンツが公開されたのは、
エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。
もっと読む スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
おすすめの記事
スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)は17日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)の資産を追及する主要7カ国(G7)の国際作業部会には参加しないことを決めた。
もっと読む スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
おすすめの記事
米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
このコンテンツが公開されたのは、
米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。
もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
おすすめの記事
チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒの春祭り「セクセロイテン」が15日開かれた。巨大な「雪男」を燃やして夏の天気を占う恒例行事は強風により中止となった。
もっと読む チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
おすすめの記事
スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。
もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
続きを読む
おすすめの記事
スイスの10代、電子たばこの利用広がる
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの学齢期の子供たちを対象にした調査で、電子たばこを試したことがあると答えたのは、15歳の男子生徒の半数、女子生徒の3分の1に上った。
もっと読む スイスの10代、電子たばこの利用広がる
おすすめの記事
世界のたばこ産業が集まるスイス 規制枠組み条約への対応は?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは世界3大たばこ企業の本社があり、世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約(FCTC)を批准していない国でもある。その一方、ジュネーブでは同条約に関する重要な会合が開かれた。
もっと読む 世界のたばこ産業が集まるスイス 規制枠組み条約への対応は?
おすすめの記事
世界の喫煙傾向はどうなっている?グラフで読み解く
このコンテンツが公開されたのは、
禁煙した人が多い国はどこだろう?禁煙者の数は、女性と男性ではどちらが多いのか?たばこ企業の本社が集まるスイスはどうだろうか?
もっと読む 世界の喫煙傾向はどうなっている?グラフで読み解く
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。