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スイスとEU関係はどこへいく?

スイスとEUの関係はどこへ? (Imagepoint)

欧州連合(EU)に末だ加盟していないスイスは、EUと分野別の協定を結んでいる。2005年にはスイスは新EU加盟国への雇用市場の拡大や安全、難民協定の協力といった二つの重要なEUとの協定を国民投票で承認した年だった。

2006年にはさらに、スイスーEU間の将来の展望が明らかになるはずだ。ブリュッセルのEU当局もスイスが今後、EU25カ国とどのような長期的な関係を築いていくのかの提示を求めている。

 2006年の夏にスイス政府は今後の「スイスーEU 関係の展望」に関する報告を出す予定だ。選択肢としては、EUと結ぶ第1次、第2次二国間協定に幾つかの協定を加えるものから、スイスのEU加盟にまで及ぶ。しかし、後者はスイスのこれまでの国民投票を考慮すれば、非現実的と言えるだろう。

骨組み協定

 今後のEUとの関係で現実的な選択肢としては「骨組み協定」のようなものを打ち出すことだ。そうすれば、今まで結ばれた協定をどう実施するかを明確にし、今後もっと密な関係になったときの叩き台となることだろう。

 2005年は、意外なほどにスイス—EU関係がとんとん拍子に進んだ。これまで欧州統合懐疑派の多いスイスの有権者が自信をもって、EUとの自由な人の往来と難民政策を定める、シェンゲン・ダブリン協定への加盟を承認した。そればかりか、EUへ新しく加盟した東欧諸国に対しても次第に雇用市場を拡大することに賛成した。

 フランスとオランダでEU憲法が否決された後だっただけに、スイスから示されたEUへの信頼がブリュッセルで歓迎されたことは言うまでもない。

敬意を表す

 「スイスの直接民主主義に基づいたEU協定に関する議論と、その投票結果に敬意を表します」と喜ぶのはブリュッセルのEU-スイス委員長のダイアナ・ウィリス氏だ。「しかし、現在スイス政府はこれを基礎に今後の立ち回り方を考えなければなりません。我々がEU憲法で検討しているように」と加えた。

 今後は、EUとの第1次、第2次二国間協定でカバーされていない項目が話し合われる予定だ。しかし、「本質的な内容ではありません」とウィリス氏はみる。例えば、今後の議題に挙げられるのは、欧州独自で開発している、人工衛星を利用して自分が地球上のどこにいるのかを正確に割り出すシステム、全地球測位システム(GPS)「ガリレオ」開発事業への参加やサービスに関する分野の協定などだろう。

今後のEUとの交渉

 スイス経団連ルガノ支部のステファーノ・モデニーニ氏は「まずは、第2次二国間協定を結ぶことが先決です。その後、これらの協定がどのように実際に運営されているかをみるべきです」と慎重だ。骨組み協定に関しては「このような協定がスイスをEUの衛星のような取り巻きにしてしまうのもいけない」と警戒する。

 ベルンのEU統合局のアドリアン・ソルベルガー氏は「今後の計画としては、現存する協定の全ての発効。そして、電気市場の自由化、GPSガリレオ事業や健康保険制度などの分野でもEUとの協定が焦点となるでしょう」と語る。

 報告書には3つの選択肢が提示されるという。1つ目はこれまでのEUとの二国間交渉に徹底して、新しい分野では骨組み協定を作ること。2つ目は、市場の統合を目指した欧州経済地域(EEA)といった構想をもとにした多国間交渉の道。3つ目はスイスのEU加盟だ。

 ソルベルガー氏は「もっとEUとの関係を密にする骨組み協定を話し合う用意は両者にできています」と強調する。「この協定によりこれまでの二国間交渉が簡素化され、EUとの政治的絆が強まるでしょう」

 スイスの政治政党は既に自らの立場を固め始めている。連立政党左派の社会民主党はEU加盟を目指し、連立政党右派の国民党はこれ以上、EUとの歩み寄りを一切避けようとしている。

 前出のモデニーニ氏は「今後、10年で欧州問題は解決するでしょう」と見るが、議論はスタート地点に立ったばかりだ。


swissinfo、マリアーノ・マッセリーニ 屋山明乃(ややまあけの)意訳

補足情報

- 2005年、6月にスイスはEUとの二国間協定の枠組みで、難民政策の協力や自由な人の往来を促すシェンゲン・ダブリン協定への加盟が国民投票で可決された。

- 2005年の9月にもEUに加わった東欧10カ国へ人の行き来の自由化、つまりは雇用市場の拡大も承認した。

- 今年の夏にはスイス政府は今後の「スイス—EU関係のあり方」に関する報告書が提出される。

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