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スイスの消費者保護と自由貿易

Mit 消費者保護について言えば、スイスはまだまだ途上国

(Keystone)

スイスは消費者保護の観点から見るとまだ途上国だ。食品は例外的に欧州連合 ( EU ) よりも、厳しい規制が敷かれている。しかしここにも落とし穴があった。

EUとの市場開放により、スイスの消費者も恩恵を受けている。しかし、スイスの方が他国より商品企画などで厳しい規制がある場合、自由貿易協定を結んだ国から規制緩和をするよう圧力がかかることが多い。

 価格のほか、安全規格の統一、一般的な商業取り決め違反なども消費者としては注目したい観点だ。一方で市場開放とともに、スイスもEUの規定に準じるようになってきた。数量制限や商品流通を妨げる規制すべてを禁じるEC条約第28条 ( ディジョンのリキュール判例 ) を尊重しなければならない。ここで、スイスの商品規制がEUのそれより厳しかった場合、問題が起こってくるのである。

自由貿易と消費者保護

 市場開放に伴い、商品価格が下がることは消費者にとっても好ましいことだ。しかし、ここに落とし穴がある。「ディジョンのリキュール判例 ( Cassis de Dijon ) 」で知られるEC条約28条だ。特にスイスの食品規制はEUのそれより厳しい。

たとえば、EU圏では産地表示が義務付けられていない。スイスの義務付けが自由貿易を阻むという判断で、スイスでは産地表示の義務付けの撤廃が検討されている。撤廃されると、自由貿易は促進されるが、消費者保護からは1歩遠のく。このため、自由貿易の基本的概念が消費者保護の鍵になっている現在、自由貿易協定の中にも消費者保護の項目を盛り込むべきだというのが、消費者問題事務局の見解だ。
 
 産地表示問題の格好の例が、産地明記のない精肉だ。ベルリンの「フードウォッチ ( Foodwatch ) 」の代表者ティロ・ボデ氏は「EU圏外の飼料と家畜の解体過程で出る廃棄物の非合法的取引が飛躍的に増加している」と指摘する。EU圏外では、こうした廃棄物で家畜を養っている。「そうした肉がEUやスイスの食卓に上る」とボデ氏は懸念する。

途上国のスイス

 取引規制や並行輸入の禁止などは自由貿易を阻止する中心的要素で、スイスの消費者は自由貿易の恩恵を受けていない。バーゼルの経済研究所BAKによると、スイスの商品価格はドイツ、フランス、イタリア、オーストリアと比較して4割高い。

 スイスでは担当局の数が多いことも、スイスの消費者保護の欠点だと指摘されている。連邦機関で見ると、消費者問題事務局は委員会、連邦秘書局、連邦局の3者がかかわっているほか、17人の職員を置く価格監視団がスイスの商品価格を監視している。これに加え、ドイツ語圏では消費者保護基金 ( Stiftung für Konsumentenschutz/SKS ) と消費者フォーラム ( Konsumentenforum/kf ) のほか、フランス語圏とイタリア語圏にそれぞれ1団体ある。ドイツであれば、食糧・農業・消費者保護省が唯一消費者問題を担当しており、組織は簡素だ。

 1981年からスイスでは、消費者が連邦憲法で保護されるようになった。しかし、消費者保護基金のジャックリン・バッハマン氏によると「商品の安全管理はまだ不十分。自動車に不具合があってもリコールはない。細かい字で印刷した違法的留保約款が取り締まられないなど、スイスは消費者保護については途上国だ」と言う。

swissinfo、アレクサンダー・キュンツレ、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 意訳

ディジョンのリキュール判例 ( Cassis de Dijon )

ドイツとフランスでアルコールの基準が統一されておらず、ドイツへの輸出許可が出なかったことが発端となった裁判。EC裁判所は、物品の輸出入や通過を禁ずるあらゆる措置が「数量制限」になると判断した。自由取引を阻害するようなすべての国内通商措置、すなわち国内製品の保護を目的としない場合も含めEC圏の商品流通を妨げる可能性のある措置は規制の対象となる。( EC条約第28条 )

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