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スイスの空に上昇気流

活況を呈するチューリヒ空港 Oberhauser

チューリヒ・クローテン空港を運営する「ユニーク ( Unique ) 」社は2007年、前年比のほぼ2倍に当たる1億3070万フラン ( 約131億円 ) の利益を計上した。

また3月12日には、ドイツの航空会社ルフトハンザの傘下に収まったスイスインターナショナルエアラインズも昨年の好成績を発表した。

増加するトランジット客

 クローテン空港の昨年の営業収益は、昨年比8.9%増の8億290万フラン ( 約803億円 ) 。そのうち61.8%は航空業務、残りの38.2%はそれ以外の業務による。空港内にある店舗の売上高は4億3500万フラン ( 約435億円 ) に上り、スイスで3番目に大きいショッピングセンターに成長した。

 しかし一方では、経営費も前年比9.5%増の3億9280万フラン ( 約393億円 ) に達した。この大幅な増加の原因は安全対策にある。警察や自社の保安要員にかかる費用だけでも、前年より30.9%多い2560万フラン ( 約26億円 ) を要した。これらの支出にもかかわらず、2007年の経常利益は21%増の2億2920万フラン ( 約230億円 ) を計上した。

 年間利用客も2006年より7.8%増加して2070万人を数え、2000年以降初めて2000万人の壁を突破。そのうち33.8%はトランジット客だ。航空機の発着回数は2.9%増の26万8476回。ユニーク社は今年も4%から5%の成長を見込んでいる。また、トランジット客を中心とした利用客も2170万人まで増加すると期待している。

スイスインターナショナルエアラインズも好調

 チューリヒ・クローテン空港から世界各地へ飛び立つスイスインターナショナルエアラインズもまた、2007年には好成績を残した。経常利益は前年に比べて2倍以上の伸びを見せて5億7100万フラン ( 約571億円 ) に、営業収益も18%近く増加して約50億フラン ( 約5000億円 ) を計上した。さらに、年間乗客数も1220万人とこれまでの記録を塗り替えた。

 スイスインターナショナルエアラインズのミハエル・クラウス財務部長は
「今日のわが社は基盤がしっかりと安定しているため、記録的な燃料費の高騰や過剰供給の中でも十分競争していける」
 と自信をうかがわせる。

 職員数も700人近く増加して、昨年末の職員数は6022人となった。今年もさらに数百人の雇用を予定している。

 クリストフ・フランツCEOは、
「この成長には、ルフトハンザとの相乗作用とスターアライアンスへの加入も影響している」
 と話す。親会社であるルフトハンザは、景気の減速や不安定な金融市場にもかかわらず、これからも成長が続くと期待している。燃料費が大幅に跳ね上がった2007年も、ルフトハンザの営業収益は2倍以上増加した。

swissinfo、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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