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スイス外相、南北朝鮮の休戦ラインを越える

カルミ=レイ外相が休戦ラインに位置する板門店を訪れる。 Keystone

核問題をめぐって朝鮮半島の緊張が高まるなか、20日現地時間11時にスイスのミシュリーヌ・カルミ=レイ外相は北朝鮮の板門店(パンムンジョム)で北緯38度線を歩いて渡った。これで同外相は休戦ラインを跨いだはじめての外国の政府高官となった。

このコンテンツは 2003/05/20 22:09

カルミ=レイ外相は「小さな一歩だったが半島の平和のための大きな一歩になることを願っている」と述べた。象徴的な意味以外にスイス外相は朝鮮半島の核問題の仲介役を申し出ている。スイスの閣僚が北朝鮮を訪問するのは国交を結んだ1974年以来、初めて。

休戦ライン横断の意味

1994年、カーター前大統領もピヨンヤンの了解を受け休戦ラインを横断したが在職の高官が渡ったのは初めて。今回の横断はスイスと北朝鮮の「満足できる」二国間関係の象徴であるとベルンの外務省は説明する。また、外相は「北朝鮮政府が対話の道を受諾したことに満足している」と述べた。外相はその後、韓国入りし、南40キロのソウルでノムヒョン大統領と会談予定。

スイスと北朝鮮

スイスは北朝鮮と1974年以来、国交を持ち、1977年以降は食料生産技術を支援している。北朝鮮が1995年に食料危機に陥った際もスイスは食料援助を行っており、1999年には海外協力事務所を置くなど、北朝鮮との関係は「良好」といえる。この立場を利用してどうにか仲介役に出られないかというのが外相の狙いだ。スイスの北朝鮮への支援額は毎年400万〜500万フラン(約3億5千万円〜4億4千万円)にのぼる。

板門店(パンムンジョム)には朝鮮半島中立国監視委員会のスイス兵士が1953年に結ばれた休戦協定以来、50年間、休戦ラインを監視している。中立国監視委員会は国連軍、北朝鮮軍、中国共産軍の間で調停された休戦協定に基づき、韓国と北朝鮮を隔てる休戦ライン(北緯38度線)沿いの非武装地帯付近に置かれ、南北双方の行政管轄権外でスエーデンとスイスの共同警備区域になっている。1953年当初には96人ものスイス人が配備されたが、2003年には5人となっている。

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