スイス新連邦閣僚にベアト・ヤンス氏が当選 バーゼル出身
スイス連邦議会は13日、内務相を務めるアラン・ベルセ氏の後任としてバーゼル出身のベアト・ヤンス氏(社会民主党=SP/PS)を連邦閣僚に選出した。
ヤンス氏は3回目の決選投票で、同じ左派・社会民主党(SP/PS)のダニエル・ヨジッチュ氏とヨン・プルト氏を破り当選した。決選投票でヤンス氏は245票中134票、ヨジッチュ氏が68票、グラウビュンデン州のプルト氏が43票を獲得。絶対多数の123票を超えたヤンス氏が当選した。ヨジッチュ氏は正式な社会民主党の候補者ではなかったが、1~2回目の投票で多くの票を得た。
59歳のヤンス氏は2021年からバーゼル・シュタット準州の参事長(州知事)を務める。2010~20年には国民議会(下院)議員を務め、2015~20年に社会民主党の副党首も担った。
バーゼル近郊の町リーエンで、労働者階級の家庭で生まれ育った。農業の職業訓練を受けたあと、農業技術の教育も受けた。さらに連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)で環境科学を学んだ。現在は妻との間に16歳と18歳の娘がいる。
ヤンス氏は 20 年以上にわたり、地方や国の政治の重要人物とされてきた。34歳で社会民主党バーゼル支部に入党。バーゼル市議会議員を経て国政に進出した。
2015年と2019年の下院選挙で最多得票を記録した。2020年に新人候補として挑んだバーゼル・シュタット準州参事選では第1回投票で入閣を決めた。
熱意と雄弁さ、そして人々への距離の近さで知られる。政界でもヤンス氏が妥協を築き、批判に対処する方法を熟知する「橋を架ける人」との評価が高い。下院のエリック・ヌスバウマー議長は同氏が事実に忠実で「派手なプレーは得意ではない」と評する。
1848年のスイス連邦国家設立以来、ヤンス氏はバーゼル・シュタット州出身者として3人目の連邦閣僚となる。就任は2024年1月1日。閣僚としてはアラン・ベルセ内務相の後任だが、所管する任務は今後決める。
おすすめの記事
連邦閣僚の担当省庁はどう決める?
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。