Keystone / Salvatore Di Nolfi
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
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情報筋がロイター通信に語ったところによると、欧州閣僚らはまず、ジュネーブのドイツ公館で欧州連合(EU)のカーヤ・カラス外交安全保障上級代表(外相)と会談した後、イラン外相と合同会談を行う予定。
米国とイランは4月、オマーンの仲介で、イランの核開発計画をめぐる協議を開始。しかしイスラエルとイランの武力衝突を受け、15日にオマーンで開催予定だった会合は中止された。
交渉はウラン濃縮の許容範囲などをめぐり難航した。イランは最近、ほぼ兵器級の濃縮を行っていた。イラン政府は制裁解除を条件に再び核開発の制限を受け入れる考えも示唆したが、核の完全放棄は否定した。
ドナルド・トランプ米大統領は18日、「無条件降伏」の要求を繰り返したが、さらなる交渉を完全には否定しなかった。トランプ政権は2018年、イランの核開発を制限するウィーン合意(2015年)から一方的に離脱した。
止まらない戦争
ドイツのヨハン・ワーデフール外相は18日、ベルリンでヨルダンのアイマン・アル・サファディ外相と会談。16日にフランスのジャン・ノエル・バロ外相、英国のデビッド・ラミー外相、EUのカラス外相とともにイランのアラグチ外相に交渉の申し入れを行ったことを明らかにした。
解決策を交渉する用意はある。しかし、ワーデフール氏はイラン側が「政府が核兵器を求めていないことを信用させるなど、信頼醸成と検証可能な措置をとる」ことを早急に行う必要があるとした。また、「誠実な意思を持って交渉のテーブルに着くのであれば、遅すぎるということはない」とも付け加えた。
一方、イスラエルとイランの戦争は続いている。観測筋は最近、イランとの核問題の外交的解決にはほとんど期待できないとの見方だ。イスラエルは、イランの核・ミサイル開発計画による「存亡の危機」を理由に戦争を正当化した。
英語からの 翻訳:宇田薫
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