The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイス新連邦閣僚にベアト・ヤンス氏が当選 バーゼル出身

ベアト・ヤンス氏
2023年12月13日連邦上下院で行われた3回目の決選投票で、社会民主党のベアト・ヤンス氏が同党のダニエル・ヨジッチュ氏を破り連邦閣僚の座を手にした Keystone / Anthony Anex

スイス連邦議会は13日、内務相を務めるアラン・ベルセ氏の後任としてバーゼル出身のベアト・ヤンス氏(社会民主党=SP/PS)を連邦閣僚に選出した。

ヤンス氏は3回目の決選投票で、同じ左派・社会民主党(SP/PS)のダニエル・ヨジッチュ氏とヨン・プルト氏を破り当選した。決選投票でヤンス氏は245票中134票、ヨジッチュ氏が68票、グラウビュンデン州のプルト氏が43票を獲得。絶対多数の123票を超えたヤンス氏が当選した。ヨジッチュ氏は正式な社会民主党の候補者ではなかったが、1~2回目の投票で多くの票を得た。

59歳のヤンス氏は2021年からバーゼル・シュタット準州の参事長(州知事)を務める。2010~20年には国民議会(下院)議員を務め、2015~20年に社会民主党の副党首も担った。

バーゼル近郊の町リーエンで、労働者階級の家庭で生まれ育った。農業の職業訓練を受けたあと、農業技術の教育も受けた。さらに連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)で環境科学を学んだ。現在は妻との間に16歳と18歳の娘がいる。

ヤンス氏は 20 年以上にわたり、地方や国の政治の重要人物とされてきた。34歳で社会民主党バーゼル支部に入党。バーゼル市議会議員を経て国政に進出した。

2015年と2019年の下院選挙で最多得票を記録した。2020年に新人候補として挑んだバーゼル・シュタット準州参事選では第1回投票で入閣を決めた。

熱意と雄弁さ、そして人々への距離の近さで知られる。政界でもヤンス氏が妥協を築き、批判に対処する方法を熟知する「橋を架ける人」との評価が高い。下院のエリック・ヌスバウマー議長は同氏が事実に忠実で「派手なプレーは得意ではない」と評する。

1848年のスイス連邦国家設立以来、ヤンス氏はバーゼル・シュタット州出身者として3人目の連邦閣僚となる。就任は2024年1月1日。閣僚としてはアラン・ベルセ内務相の後任だが、所管する任務は今後決める。

おすすめの記事
スイス連邦閣僚のギー・パルムラン氏とシモネッタ・ソマルーガ氏

おすすめの記事

スイスの政治

連邦閣僚の担当省庁はどう決める?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦閣僚らの新しい役割配分が決まった。初の女性国防相の誕生や、欧州連合(EU)との枠組み交渉を司る経済相に非企業家の閣僚が就くなど、驚きの声もあがる。連邦閣僚の「適材適所」は誰がどう決めるのか?

もっと読む 連邦閣僚の担当省庁はどう決める?

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

ジュネーブのトラム

おすすめの記事

気候適応

ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増

このコンテンツが公開されたのは、 ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。

もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
湖に飛び込もうとする男性の後ろ姿

おすすめの記事

スイスで記録的暑さ 政府が警告

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで全国的に気温が上昇し、猛暑への警戒が強まっている。11日にはスイス西部と南部ティチーノ州の一部地域に対し、熱中症など健康被害を受けるリスクが大きい「危険度3」の警報が発令された。

もっと読む スイスで記録的暑さ 政府が警告
作家のアドルフ・ムシュク氏

おすすめの記事

文化

知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞

このコンテンツが公開されたのは、 ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。

もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
詐欺を警告するPC画面

おすすめの記事

スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。

もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
オリーブの木

おすすめの記事

農業ビジネス

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部