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スイス検察、テロ資金捜査に懐疑的

米国はビンラディン氏関連の資金洗浄捜査に国際協力を要請しているが、ベルナルド・ベルトッサ・ジュネーブ州首席検事は、テロリスト資産の追跡はほとんど不可能だとの見解を示した。そして、金融面での諸悪の根源は米国の銀行法にあると批判した。

swissinfoのインタビューに対しベルトッサ検事は、当局は米同時多発テロの黒幕とされるオサマ・ビンラディン氏の資産の追跡に大変な苦労をすることになるだろうと次のように語った。「資金の送金経緯を追うのは、ほとんど不可能だ。テロ組織の財源となる機関があることは明白だが、ビンラディン名義の口座は存在しない。テロリストらは複数の国から資金援助を受けているに違いないが、資金源がどこなのか証明するチャンスはほとんどない。米政府は他国に圧力をかける前に、自国の銀行法を見直すべきだ。米国では身分証明なしで銀行口座を開設することができる。フランスでも、オフショア企業は本当のオーナーの名前を明らかにせずに口座を開設することができる。スイスではあり得ない違法行為だ。」。

ベルトッサ検事は、汚職の規模と絡んだ金額の大きさが単なる金融犯罪の域を超えており、当局の捜査と起訴を不可能なものとしているという。「贈収賄の利益があまりにも莫大で、その巨額すぎる故に違法送金が司法の注意を引かない。」とベルトッサ検事はいう。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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