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スイスEU「人の移動の自由」協定発効

2000年5月の国民投票で承認された7つのスイスEU通商相互合意協定のうち「人の移動の自由」協定が6月1日発効となった。EU加盟国の国民はスイスで、スイス国民はEU諸国での居住・勤労の段階的自由化がスタートした。

このコンテンツは 2002/06/03 09:25

「人の移動の自由」協定発効で直ちに恩恵を受けるのは、隣国からスイスへの国境越え通勤者らだ。国境越え通勤者用スイス労働許可証の有効期限がこれまでの1年から5年に延長され、毎日自国への帰宅が義務付けられていたのが週1度の帰宅でよくなった。フランス、ドイツ、イタリアのスイス国境地域に居住し毎日スイスに通勤している人は、推定10万人とされる。一方、スイス国民は今後2年以内にEU諸国での居住・労働が自由化される。

欧州統合事務局(ベルン)のBessard氏は、隣国からの国境越え通勤者らが、毎日自国に帰宅する必要がなくなりスイスで生活できるようになれば、スイスの他の地域での仕事にもつけるようになり、職の機会が広がると言う。が、独仏国境に位置するバーゼル州の経済産業事務局(KIGA)のKuhn氏は、人の移動の自由協定で恩恵を受けるのは都市部労働市場だけだとした上で、次のように述べた。「都市部の労働市場は拡大する。現在は地元労働市場にすぎないが、将来はより地域的統合型になり、専門資格を持つ者は適職探しが容易になる。」。バーゼルではドイツとフランスから毎日30、000人が通勤してくる。スイスEU通商相互合意協定反対派は、これらの国境越え通勤者らのスイス居住を認めたらバーゼルの賃貸価格上昇を招くと主張した。が、Kuhn氏は「フランスからの通勤者で物価高のスイスに移住しようという人は少ない。ドイツからの通勤者の一部が税金対策でスイスに移住しようとするくらいだ。」と影響はほとんどないと言う。いずれにしても、人の移動の自由が完全化される2年後までは、大したインパクトはなさそうだ。

が、2年後も、スイス人の雇用保護と給料のダンピング防止のための様々な規制が残る。たとえば、医師・歯科医などの専門職には外国人定数制度が適用される。また、6月1日から転職・居住の自由が認められる現在すでにスイスに居住しているEU加盟国国民に、優先権が与えられる。

人の移動の自由は、スイスEU関係に画期的な変化をもたらすだろう。スイス国民は15ヶ国のEU加盟国の労働市場にアクセス可能になる。また、バーゼルなどスイスの国境付近の都市では、労働者の質の向上に絶大な影響を与えると思われる。さらに人の移動の自由協定履行は、「労働者の移動の自由」だけに終らず、完全な「国民の移動の自由」へと進展すると期待される。

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