ドイツの森にあるマダニ注意の標識
Keystone
連邦内務省保険局はスイスのほぼ全域にあたる24州を、マダニが媒介する感染症の「危険」地域に指定した。政府は国民に予防接種を受けるよう呼びかけている。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦内務省保険局は先月、マダニの増加にともない、スイス国民全員を対象にマダニが媒介する病気の一つ「ダニ媒介性脳炎」の予防接種を呼びかけた。それに続き保険局は3日、ティチーノとジュネーブの2州を除くスイスの全地域でマダニの危険性が高まっていると発表した。
保険局は発表外部リンクで、特に森や草むらなどに散歩に出かける人はマダニに噛まれる可能性が高いとしてワクチンの接種を繰り返し喚起。またジュネーブ州やティチーノ州の住民であっても、旅行などで州から離れるときは予防接種を受けるべきだとした。
また、マダニの活動のピークは4~10月であることから、冬に予防接種を受けることを奨励している。
>>スイスの旅行はマダニに要注意
スイスのダニ媒介性脳炎の報告例は、2017年には100件だったのに対し、昨年は380件だった。ダニ媒介脳炎はウイルス性の病気で、感染すると死に至ることもある。
もう一つのマダニによる主な感染症はライム病(ライムボレリア症)で、感染後、直ちに抗生物質で治療を受けた人の大半は予後が良いが、治療が遅れると細菌は中枢神経系、筋肉、関節、目、そして心臓に移動し合併症を引き起こす恐れがある。この病気の予防接種はできない。
保険局は対策として、茂みや背の高い草むらを避け、腕、脚、足を覆う服を着るよう勧めている。
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
おすすめの記事
ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
このコンテンツが公開されたのは、
英国と大陸欧州をつなぐ高速鉄道ユーロスターは、スイス・ジュネーブとロンドンを結ぶ初の直通列車の運行を計画している。
もっと読む ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
続きを読む
おすすめの記事
マダニの予防接種を国民に要請 スイス政府
このコンテンツが公開されたのは、
マダニがスイス全土で増加したことを受け、政府はマダニが媒介する病気の一つであるダニ媒介性脳炎の予防接種を受けるようスイス国民全員に促している。予防接種費用は基礎医療保険会社が負担する。
もっと読む マダニの予防接種を国民に要請 スイス政府
おすすめの記事
ダニ媒介脳炎の症例が増加 予防接種呼びかけ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦内務省保健局によると、今年はマダニに噛まれてダニ媒介脳炎にかかった人が過去10年で最も多くなった。同局は脳炎の予防接種を受けるよう強く呼びかけている。
もっと読む ダニ媒介脳炎の症例が増加 予防接種呼びかけ
おすすめの記事
スイスに旅行する際には、マダニに要注意!
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは今春、マダニが例年以上に発生している。外出のとき注意すべき場所や、スイスで旅行中、マダニから身を守るための対策をまとめた。
例年よりマダニが多いのは何故?
「冬の寒さが厳しかったせいで、今年の春は例年以上にマダニが発生している」とスイス・マダニ感染症連盟のノルベルト・シュッツ医師は言う。「12月と1月に地面が凍結していたため、マダニは休眠状態から目覚めて春に活動するためのエネルギーをその間に温存できた」のが原因だ。
マダニに噛まれると何が問題?
マダニは3月から11月が活動のピークだ。マダニに噛まれると、やっかいな事になりかねない。皮膚にマダニがついているのを見つけた場合、まず反射的に手で取り除こうとするのが普通だろう。だが、マダニはピンセットを使って完全に取り除かなくてはいけない事はあまり知られていない。手で無理やり引っ張るのは危険だ。もしマダニの体の一部が36~48時間以上皮膚下に残ってしまった場合、そこから病原体が体内に侵入し、ライム病に感染する恐れがあるためだ。ダニ媒介性脳炎やその他の病気にかかる危険性もある。
もっと読む スイスに旅行する際には、マダニに要注意!
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。