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赤十字国際委員会総裁、米軍の誤爆に抗議

ヤコブ・ケレンベルガー赤十字国際委員会(ICRC)総裁は、米軍がアフガニスタンの赤十字倉庫群を3回も誤爆したことに対し、人道援助をさらに困難にしたと強く抗議した。反面、タリバンはICRCの活動を尊重していると述べた。

10月7日の米軍のアフガニスタン空爆開始以来、首都カブールの赤十字の食糧倉庫群は計3回誤爆を受けた。米軍の度重なる誤爆に対し、週末テヘランにハタミ・イラン大統領を訪問したケレンベルガー総裁は、「我々は赤十字国際委員会の倉庫を米軍が爆撃したことに対し、強く抗議する。これは人権と国際権利の侵害だ。我々は米国からの説明を求める。」と抗議した。さらに、ケレンベルガー総裁は、「外国人職員が全員国外に引き上げたことによる人員不足に加え、誤爆を受けたことにより、食糧の配給は大幅に遅れた。」と、米軍の誤爆は赤十字のアフガニスタンでの人道援助活動に大きな打撃を与えたと非難した。

この困難な状況下で、ICRCは首都カブールと北部のマザリシャリフに向け、30、000人分の食糧の緊急援助を送った事を明らかにした。また、アフガン国内の14カ所の難民キャンプへの医療物資の配給も続けられているが、捕虜訪問は不可能になっていることをケレンベルガー総裁は明らかにした。

ケレンベルガー総裁は、ICRCが紛争当事者全派とコンタクトを取っていることを強調した。そして、「タリバンは赤十字国際委員会の主義と活動を尊重してくれている。タリバン支配下での活動は、いつも順調に行われている。」と語った。

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