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助けを待つ声に赤十字の出番

レバノンとイスラエルから帰国したばかりのヤコブ・ケーレンベルガー委員長 Keystone

やっと停戦決議に合意したイスラエルとレバノン政府。これで赤十字の援助も本格化できるかもしれない。スイスに本部を置く赤十字国際委員会 ( ICRC ) のヤコブ・ケーレンベルガー委員長が援助の現場を語った。

このコンテンツは 2006/08/18 15:25

「この停戦で、レバノンの市民により多くの援助が届くことを強く願っています」と委員長の声は悲痛だ。戦火のため、これまで援助を届けることが非常に難しかったのだ。

すでに赤十字国際委員会 ( ICRC ) の援助物資を積んだ船が2隻、戦闘の激しかったレバノン南部ティールとフーラの村に向かっている。

故郷に押し寄せる人々の波

停戦は良いニュースだが、これによって多くの避難民がどっと押し寄せるように故郷に戻ってきたため、援助団体は衛生面や食料面などで援助がとても追いつかないと悲鳴をあげている。

ヤコブ・ケーレンベルガー委員長によると、40万人から50万人の人が緊急援助を待っている。例えば、けが人を運び出したり、亡くなった人を見つけたりするのに必要な機器や、飲み水、燃料や薬などが決定的に足りないのだ。「とにかく私たちは1分1秒でも早く、彼らに必要物資を届けなければいけません」

しかも、さらなる避難民がいつ、どれだけ大量に戻ってくるか、予測は難しい。彼らにも当然必要物資を用意しなければならない。

外交官的手腕も必要

ケーレンベルガー委員長は、レバノン南部とイスラエルへの4日間の旅から戻ってきたばかり。イスラエルでは、エフード・オルメルト首相と会談してICRCの援助がより迅速にレバノン南部の苦しんでいる人々に届くよう、約束を取り付けてきた。

「まずは地獄のような場所にいる人々に、最低限の物資を届けることが先決です。とにかく、そこまで行き着くのに非常に難しいこの状態をなんとか改善しなければなりません」

中立であるからこそ、ICRCは政治的にも動ける。イスラエル政府は、パレスチナ人捕虜が家族と会うことについて、ICRCが仲介することを許可した。これは大きな快挙だ。一方、ヒズボラやハマスに誘拐された3人のイスラエル兵士との面会については、まだ実現していない。これからもねばり強く、面会を求めていく予定だ。

火種は残る

国連安全保障理事会の決議は、イスラエルと、レバノンに基地を持つ民兵組織ヒズボラとの間の紛争を「完全に停止」することを求めている。この決議1701号は国際社会が待ち望んだものだった。当然、スイスもその中の一つだ。スイス連邦政府はこの決議を受け、「スイスは今後も平和維持の努力を経済的にサポートする」と声明を出している。

全会一致で受け入れられた同決議は、1万5000人の国連平和維持軍をレバノンに派遣するという内容を含む。ヒズボラが力を持っているレバノン南部を、レバノン国軍がコントロールするのに協力するためだ。

イスラエルは、停戦決議は受け入れたものの、レバノンの制空権と制海権の封鎖は今後も続けるとし、もしまたイスラエルが攻撃を受けるようなことがあれば、いつでも応戦して軍隊をレバノンに派遣すると発表している。

また、イスラエルのオルメルト首相は停戦決議に関係なく、「イスラエルはヒズボラのリーダーを追い続ける」と公言している。一方、ヒズボラのリーダーであるハッサン・ナスララ氏は、イスラエルへの攻撃は「戦略的、歴史的勝利」と声明を発表した。

swissinfo、外電 遊佐弘美 ( ゆさ ひろみ )

補足情報

-レバノンとイスラエル両国は、国連安保理の停戦決議を受け入れて14日グリニッジ標準時午前5時からの停戦に合意したが、その後も1度イスラエルの発砲により交戦が起きている。
-ICRCは、年末までにレバノン全体で最低でも20万人に食糧や必要物資、100万人に飲料水、60万人に医療ケアを行う予定だ。

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