
外務省、スイス国民にパキスタン脱出を指示
米国の報復攻撃が秒読みに入ったと予測される事から、外務省はパキスタン在留スイス人に対し至急国外へ退避するよう指示した。
在カラチ・スイス総領事館のロランド・フィッシャー総領事は、カラチ市内に住むスイス国民31人とは連絡が取れているがパキスタン全土に住む他の在留スイス人140人とは連絡を取る努力をしているところだという。何家族かはすでに国外に退避し、脱出準備中の人々もいる。「領事館関係者の家族は、すでに国外へ逃れたか数日中に脱出する予定だ。」とフィッシャー総領事は述べた。現在カラチにいる12人のスイス人旅行者は、21日に全員帰国することが決まった。また、首都イスラマバードのスイス大使館職員の家族も、パキスタンから退避を始めたという。
マルクス・ブーリン外務省報道官は、「現段階ではまだ退避命令は出していないが、大使館関係者の家族は自発的退避を決めた。パキスタン脱出を決めた国民のためには、我々は全力を上げて支援している。」と述べたが、スイス大使は幹部職員と共にイスラマバ−ドに留まり、パキスタンに残っているスイス国民とのコンタクトを取り続ける事を強調した。さらに、大使館はEU諸国の大使館などとも緊密な連絡を取り、情勢分析につとめているとした。
また、ブーリン報道官は、在留スイス国民のパキスタン退避が終るまでは、スイスは国外での軍事作戦を行うキャパシティーはないと断言した。そして、必要な場合に他国がスイス国民の退避に協力していくれたら、スイスは大変感謝すると発言した。
外務省によると、11日のテロ発生以来、未だに安否未確認の在米スイス人は87人で、20人は死亡した可能性が強い。

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