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子どもは「小さな大人」ではありません

チャイルド・ガーディアン広告賞受賞のコマーシャル

子どもは単に「かわいい大人」という存在ではない。広告も子どもの権利を尊重しなければならない。こうした主張の下「チャイルド・ガーディアン広告賞」を与える、子どもが子どもらしく登場する広告作りのためのキャンペーン活動がある。

小さな男の子が、皿洗い機を三輪車の洗車機に改造し、友だち相手に商売を始める。このコマーシャルで家電の「ミーレ ( Mile ) 」は今年、この賞を受賞した。

子どもは子どもとして

 審査員はこのコマーシャルのオリジナリティーを称賛し
「笑いを誘う上、すでに子どものうちからこれはといった創造的なビジネスのセンスがあることを知らしめるもの」
 と評価した。
「子どもの保護の規則に従っても、ビジネス上成功を収めるコマーシャルの制作は可能だということを示すためのもの」
 人道擁護団体「人間の大地 ( Terre des hommes ) 」のコミュニケーション担当で今回の審査員長を務めたロッコ・マリオ氏はこう語る。

 広告の中の子どもの保護についてマリオ氏は
「子どもが小さな大人として広告に登場し、大人の役割を演技するのではなく、子どもを子どもとして出すこと」
であると定義する。また、子どもであることを否定しないこと。また、広告の中で子どもを差別せず、性差別的ではなく、裏に別の意味を含ませるようなものでないことも大切だと言う。

 広告が子どもを危険な目にあわせたり、不健康な生活を招いたりすることがないことや、物事を信じやすい子どもの心理を悪用しないことも定義になる。広告に登場する子どもは、同年代の子供の模範的存在であることのほか「暴力シーンや暴力を使うことを勧めるような広告は、子どもが登場する広告には使わない」ことも条件だ。

国際的キャンペーン

 チャイルド・ガーディアン広告賞 ( Child Guardian-Werbepreis ) は、「人間の大地-子どもの保護」と「スイス広告 ( Schweizer Werbung ) 」、「スイスフランス語圏広告コミュニケーション ( Fédération romande de publicité et de communication ) 」による賞だ。スイスのほか、イタリアやほかのヨーロッパ諸国も対象になっている。人間の大地にとっては、この賞の知名度を世界的に上げることも目標の1つだ。

 「年間約300本のコマーシャルやキャンペーンを審査する。人間の大地は第1次選考を行い、残ったものを審査員に渡す。審査員のほかにメセナ委員会があり、審査基準を決めている。

 メセナ委員会のメンバーには、広告主や広告代理店関係者がいる。こうした人々をメンバーにすることで、人間の大地の大前提を関連企業に浸透させようとしているのだ。
「目標は、企業が広告の基準を会社法に取り入れることにある」
 とは言うものの、マリオ氏は企業がこうした取り組みをしているのかどうかは分からないという。

 賞は1年にコマーシャルと広告にそれぞれ1つづつ与えられる。賞金は象徴的なもので賞金の1万フラン ( 約85万円 ) は、子どもの保護プロジェクトに寄付される。今年は「暴力的な影響」という、子どもがポルノサイトやコンピューターゲームなどとの接し方を学ぶための企画に寄付された。

効力

 チャイルド・ガーデァン広告賞は特に大人の認識を高めることを目的としている。コマーシャルや広告を実際作っている広告主と広告代理店がターゲットだ。これまで3度賞が与えられたが、この経験から審査委員長は
「この賞に関係する審査員やメセナ委員には私たちのキャンペーンの意図が分かってもらえた」 
 しかし
「まだまだ、多くの人に訴えていかなければなりません」
と、今後も広告業界にはまだ多くの課題があるという。

エヴェリン・コブラー、swissinfo.ch
( 独語からの翻訳、佐藤夕美 )


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