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氷河特急事故 2人の重傷者回復の兆し



事故後1日を経過した氷河特急の車両。ラクスの駅で

事故後1日を経過した氷河特急の車両。ラクスの駅で

(swissinfo.ch)

7月23日正午頃に起きた氷河特急の脱線事故で負傷し、集中治療室で治療中の日本人2人に回復の兆しが見え始めたとシオンの関係当局が発表した。

シオン ( Sion ) とジュネーブの病院に入院中のこの2人は、昨日25日の危険な状態を脱出。しかしまだ集中治療は継続される。また重傷の5人も引き続き治療が続けられている。

2人の重傷者、回復の兆し

 7月23日に起こった、サン・モリッツとツェルマット間を結ぶマッターホルン・ゴッタルド鉄道 ( MGB ) の氷河特急の脱線事故では、尼崎市の女性 ( 64歳 ) 1人が死亡。40人が負傷し、うち日本人が28人という大惨事になった。26日現在、13人が入院中、全員日本人と伝えられている。

 スイス通信 ( SDA/ATS ) が伝えるところによると、ヴァレー/ヴァリス州の健康ネット ( RSV ) は、26日午後の時点で、入院中の13人のうち、9人がシオンの病院、2人がローザンヌ大学病院 ( CHUV ) 、1人がジュネーブ大学病院 ( HUG ) 、1人がベルンの病院で治療を受けていると発表した。

 また25日には、意識不明の重体だったシオンとジュネーブの負傷者2人は回復の兆しをみせているが、今後とも集中治療室での治療が必要。ほかの重傷の5人も目が離せない状態だという。

25日に運行再開

 一方、原因が判明しないまま氷河特急は25日に運行が再開された。マッターホルン・ゴッタルド鉄道の広報トマス・ヴェーレン氏は
「事故のあった場所は時速10キロで運行している。これは再び事故が起こり得ないスピードだとの確信で運行再開に踏み切った」
 と説明している。

 また、事故後すぐの運行再開だが、キャンセル客は数名出たものの、あまり混乱もなく通常通りに走っているという。

 チューリヒ州で日本人旅行団体向けにスイス観光旅行を企画する旅行会社「ジャポニカ・トラベル ( Japonica Travel ) 」のクレディク仁美さんは24日いっぱい、運行復旧の確認に追われた。事故を起こしたマッターホルン・ゴッタルド鉄道 は混乱の様子で、結局、連邦鉄道に確認し翌日運行開始が分かったのは午後9時半ごろだったという。

 クレディクさんを通し、15人の観光グループの添乗員を務める西条よしえさんは運行を再開したばかりの氷河特急での旅の様子を
 「事故現場を通過する時も、乗客が動揺するということはなかった。事故があった場所は、平坦なところでカーブもあまり急ではなかった」
 と語り、終着駅ツェルマットでは日本の報道陣に取り囲まれたという。

 18日にジュネーブからスイス入りした一行は、11日間でクライネシャイデック、ツェルマットなどスイスアルプスめぐりを満喫するツアーで、25日には氷河特急がプログラムとして組まれていた。

 クレディクさんは、今後日本からの観光グループは、氷河特急には乗らずバスで移動するようにプログラムを変えようという動きが出てくるかもしれないと語っている。

いまだに原因不明

 25日16時に行われた記者会見で、連邦政府の鉄道船舶事故調査委員会 ( UUS ) の指導者ヴァルター・コブレット氏は、脱線した3両を調査したところ、車軸、車輪間隔、車輪には異常は見られなかったと語った。現在も車両を調査中で、運行中のデータを調べることになる。また、地質や天候、風の状態の観点からも調査をするという。
 
 コブレット氏は25日付フランス語圏の日曜版新聞「ル・マタン・ディマンシュ ( Le Matin Dimanche ) 」に最終的な結果を出すには数週間かかるが、今週中にも途中経過が分かることを希望したいと語った。

スイス、深い哀悼の意

 スイスのミシュリン・カルミ・レ外相は26日夕方
「先週の金曜日に起こった鉄道事故に対し、スイス政府とスイス国民は、深く衝撃を受け動揺しています」
 という内容の書簡を日本の岡田克也外相あてに送った。書簡にはさらに犠牲者の遺族と友人に哀悼の意を伝える内容がしたためてあると外務省スポークスマン、カロル・ヴェリティ氏はスイス通信に語った。

 同時にドリス・ロイタルト大統領 ( 経済相兼任 ) は、経済省広報が、哀悼の意を表す書簡を日本政府に送ったと発表した。

佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) & 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 、swissinfo.ch

氷河特急 ( Glacier Express )

1930 年6月に開通。サンモリッツとツェルマット間の約270kmを約7時間半で結ぶ。橋291 カ所、トンネル91カ所、最高標高2044mの峠を走るこの列車は、世界で最もゆっくり走ることでも有名。1982年までは夏しか運行されていなかったが、フルカ峠ののトンネル完成により、1年を通じて運行されるようになった。
開通当時から食堂車が付いており、1980、90年代には、景色を十分に味わってもらうためパノラマ車両が登場し、人気はさらに高まった。
氷河特急は、ユネスコ世界遺産のベルニナ鉄道、ゴールデンパスと並びスイスの3大鉄道として知られ、鉄道ファンには人気があるため、観光ルートとして組み込まれることが多い。
( 主な出典 : 氷河特急 のホームページ )

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氷河特急転覆事故概要

7月23日12時頃、コンシュ谷 ( Conches ) のフィーシュ ( Fiesch ) のすぐ手前で、氷河特急の全6両のうち後部3両が脱線転覆する事故が発生。
橋にさしかかる直前の事故で、全6両のうち前3両は橋を渡った。傾斜部だったため、脱線した後部3両のうち第6両目はほぼ転覆状態。
約210人の乗客のうち負傷者は40人で、うち28人が日本人。尼崎市の女性1人 ( 64歳 ) が死亡。26日現在、13人が入院中、すべて日本人だという。
事故発生後直ちに、ヘリコプター9機、救急車11台、医師15人、消防隊員70人、警官40人が出動した。
コンシュ谷では、6月にもバス事故で2人のカナダ人が死亡した矢先だが、今まで事故がなく、時速30kmの低スピードで走る安全性の高い氷河特急の脱線事故は、関係者や地元の人々に深いショックを与えている。

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