The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイスの職業訓練生、3分の2がセクハラ経験 労組調査

職業訓練生
スイスの職業訓練生の3分の2が、職場などでセクハラを受けたことがあると答えた Keystone/ennio Leanza

スイスの職業訓練生の約3分の2がセクシャルハラスメントを経験していたことが、労働組合ウニア青年部が12日公表した調査で分かった。その多くが未成年で、被害場所の3分の1は職場だった。

スイスの職業訓練

スイスでは、前期中等教育(日本の中学校に相当)の義務教育を終えると、職業教育・訓練に進むか、成績が良ければ大学進学を前提とした高校に進む。3分の2以上が職業訓練コースに進む。制度の詳しい説明はこちらから。

調査外部リンクは職業訓練生800人を対象に実施。回答者の28%は職業訓練の初年度だった。女性は全体の61%。

多くが未成年で、最初の職場で働き始めてまだ間もない時点だった人が目立つ。セクハラを受けた場所が職場、学校だったのはそれぞれ3分の1、私生活では半数以上に上った。セクハラを経験したことがなかったのは30%だった。

ウニア青年部のカトリン・ツィルテナー氏は声明で「極めて多くの若者がそのような経験をしている。訓練生だけなく、すべての従業員の保護を強化することが必要」と警鐘を鳴らした。

セクハラで最も目立ったのは、性的な意味合いを持つ皮肉や中傷的な発言だった。80%の女性がこうした被害を受けたと答えたのに対し、男性では46%と性別による差が目立った。

仕事へのストレス

調査では、多くの訓練生が強いストレスを感じていたことも分かった。約70%がストレスを感じているとし、半数近くが(そのストレスで)どうしようもなくなる時があると答えた。

また、3分の2(63%)が訓練期間中に残業したことがあり、3分の1(31%)が職場でいじめに遭ったと答えた。

ウニアはこれを受け、特に残業と夜間の業務から訓練生を守る措置が必要だと指摘。相談窓口を設け、加害者には罰則を設けるなどセクハラを許容しない職場づくりも必要だとしている。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部