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来年の景気予想 SECOはより慎重に

来年の景気の予測。天気予報でいえば、時々晴れるが快晴は望めないということである。 Keystone

連邦経済省経済管轄局(SECO)が来年の景気予測を21日、発表した。前回発表された8月の予測より景気はよくならないと見られ、国内総生産(GDP)の伸率は前回の2.3%増から2%と下方修正された。

原油価格の高騰と世界の景気の回復のスピードが遅いことが下方修正の理由として挙げられた。

来年のGDP伸率は前回の予想値であった2.3%増から2.0%増に引き下げられた。今年のGDP伸率は1.8%増と前回からの変更はなかった。下方修正した理由としてSECOは、原油価格の高騰と世界景気の伸び悩みを挙げている。
雇用市場の拡大の期待にも陰りが見える。SECOのアイモ・ブルネッティ主席アナリストは、「企業は雇用を拡大せずに生産性を挙げる努力をしている」と語る。企業は今後、景気が大幅に回復するとは見ておらず、いまある労働力を利用する傾向が強いと同氏は見ている。

来年の景気に対しては慎重な見方

 過去3年続いた景気の停滞からみて、来年になって景気が急に回復するという期待はかけにくい。原油の高騰に加え世界の景気がゆっくりとしか回復していないことから、スイスの来年の景気予測は慎重になっている。

 一方で、今年の第3四半期からスイス国内では、企業が設備投資に力を入れるようになったことや、米国の好景気がややその勢いを弱めたにもかかわらずいまだ続いていることから、SECOは基本的には慎重であるが、やや楽観もしている。

 スイスにとって重要な輸出相手国であるEU諸国の景気が堅調で、来年にはGDPが2%は伸びると見込まれており、スイスの景気を取り巻く環境はしっかりしているとSECOは見る。

雇用市場の向上に期待

 雇用市場の回復は前回の予測を下回っている。景気上昇の影響が雇用市場に反映されるまでには時間がかかる。「SECOはこの秋には雇用市場が回復すると予測していたが、今回はまだその影響が見られない」と前出のブルネッティ主席アナリストは通常より時間がかかっていることを指摘している。よって、来年の平均失業率についてSECOは、今年8月予想した2.8%から3.4%へ下方修正した。ただし、失業者は年初に多く出るが来年末には3%に落ち着くと見ている。 

スイス国際放送 佐藤夕美 (さとうゆうみ)

各研究所の景気予測比較
GDP伸率 (2004/2005年)
SECO +1.8%/+2.0% 
UBS銀行 +1.9%/+2.1% 
CSグループ +1.8/+1.6% 
KOF +1.6%/+1.8%
BAK +1.8%/+1.7% 

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