2009年1月、社会民主党青年部 ( JUSO ) がチューリヒの金融街で2000本のキャンドルに火をともした。1本のキャンドルは100万フランを意味しており、公的資金注入を受けたにもかかわらずUBS銀行が総額20億フラン ( 約1800億円 ) のボーナスを支払ったことに抗議した
Keystone
金融監督局は11月11日、金融業界に対して以前から通達していた賞与制度の内容を2010年初頭から有効とし、拘束力を持たせると発表した。
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金融監督局 ( Finma ) は、ボーナスは従業員に誤った刺激を与えることになってはならず、また金融機関が長期的に好業績を収めたときに支払われるべきだという考えだ。
強制適用は12社
しかし、今回の決定では、絶対的あるいは相対的な賞与抑制は予定されていない。つまり、マネージャーが退職や契約の早期解約などのケースでまとまった金額を受け取ることは、理由が明確であれば許される。
今年6月に発表された草案は金融機関の聴聞会で激しく批判されており、結局、金融監督局は種々の譲歩を行うことになった。例えば、賞与の金額によって適用範囲を決めたため、通達の九つの規則を強制的に導入しなければならないのはスイスの七つの大銀行と五つの保険会社のみとなった。これらの機関名は発表されていない。
ほかの金融機関は同通達の原則を給与政策の指針として扱うことになる。しかしこれらの金融機関も、深刻な経営不振など不都合な状況が起こった場合は金融監督局の通達に従う義務を負う。
ボーナス査定の判断基準に関しては、議論を呼んだ「法的見地から見た経済的利益」という概念が「経済的な成功」に置き換えられたことで、金融機関は多少柔軟な対処が行えることになった。保険会社の歩合制も引き続き認められる。また、やはり金融機関から批判されていた透明性の改善については、草案どおり、金融機関の各評議会が年に1度賞与に関する報告書を提出するよう定められた。
swissinfo.ch、外電
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