スイス連邦政府は7日、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁として、スイスがこれまでに約75億フラン(約9900億円)の資産を凍結したことを明らかにした。
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連邦経済省経済管轄庁(SECO)二国間関係部のエルヴィン・ボリンガー部長が、ベルンで開かれた記者会見で、4州に置かれた口座・不動産を凍結したと語った。
同氏は「スイスが凍結した資産は他のどの国よりも多い。オランダが5億フランを凍結したと発表したが、他の国々は情報を明らかにしていない」と述べた。
政府は引き続き欧州連合(EU)の定めた制裁を適用する方針だという。同氏は「通商禁止法は、自律的に発動する制裁を規定していない。また制裁が有効になるのは広範に科されている場合のみだ。現在、24の制裁が発動中だ」とした。
スイス銀行協会は、スイスの銀行に置かれたロシア資産は全体で1500億~2千億フランになると推算している。ボリンガー氏はこれについて「全てのロシア人が制裁を受けているわけではない。現在、制裁対象になっているのは900人弱だ。このため凍結された資産はスイスに置かれた資産のほんの一部でしかない」と説明した。
ウクライナ代表と面会
ボリンガー氏は先月24日、スイスが凍結したロシア資産は約57億5千万フランだと発表していた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先月、多くのロシア政府高官が資金を預けるスイスに対し、制裁対象となったロシア人数百人の資産を速やかに特定し凍結するよう求めた。
ボリンガー氏はスイス当局者が6日にウクライナ政府の代表者と面会し、制裁の実施について話し合ったと述べたが、詳細は明らかにしなかった。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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