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列車だけではない、チューリヒ中央駅の魅力!

チューリヒにはスイス最大の鉄道駅がある。1日約40万人が利用し、2900本以上の電車が発着するチューリヒ中央駅(Zürich Hauptbahnhof)だ。利用人数は2025年までに、更に10万人増加すると言われている。チューリヒ空港からは電車で約10分と、利便性も高い。この中央駅が2014年春に生まれ変わった。リニューアルされてから1年以上経過した現在も、駅とその周辺は更なる発展を続けている。

このコンテンツは 2016/01/28 09:00
2015年10月にリニューアルされた駅のLED巨大時刻ボードは、圧倒されそうな大きさ! swissinfo.ch

地元では、Haupt Bahnhofの頭文字で「ハーベー」と呼ばれ親しまれるチューリヒ中央駅は、国内各地への列車の他、隣接する国々のドイツ、イタリア、フランス各地や、10時間以上かけて、オーストリアやハンガリー等へ向かう夜行列車が発着する国際列車の駅でもある。スイスを訪れる人々が一度は通過する機会がありそうなチューリヒのメイン駅を、今回は電車の発着以外の駅の様子に焦点をあて、周辺の新開発地区のご紹介も交えながら語ってみよう。

チューリヒ駅のシンボルの一つ、目印の大時計の周りはみんなの待ち合わせ場所 swissinfo.ch

  スイス連邦鉄道(SBB)は時間に正確な事でも知られる。筆者の英国人の夫は、こんなにも電車の時刻が正確なのは、日本とスイスだけだとよく口にする。スイスでは多少の雪が降っても、電車の運行にはほとんど影響はなく、遅延する事も少ない。

スイス連邦鉄道では同じ形の時計をスイス各地に設置している。スイスの駅といえば、この時計!というイメージもある時計は、スイスの時計メーカー「MONDAINE(モンディーン)社」によって生み出されたものだ。1986年よりスイスの各駅で公式に採用されている。この時計が特に目立つ存在なのが、チューリヒ中央駅である。ひと際目を引く大時計は、遠くからでも眺める事ができ、その周りは人々の待ち合わせの場としても活用されている。駅に到着すると、シンボルの大時計と共に目の前に飛び込んでくるのが、列車の発着時刻を示す電光の巨大ボードだ。昨年の秋に新しくなったタイムテーブルの電光ボードはLED搭載で、以前使用していたものよりもずっと大きくなった。サイズは19メートルのワイドスクリーンで、これほど大きなものは、欧州ではまだあまり存在しないのだそうだ。

ニキ・ド・サンファルの女性をテーマにした「ナナ」シリーズの一つがチューリヒ中央駅にある。1997年よりこの場所で旅人たちを見守る守護神だ swissinfo.ch

  列車が到着するプラットホームの反対側に広がる広場では、様々なイベントが行われる。秋にはライブ演奏とビアホールが出現し、オクトーバーフェストが開催される。クリスマスのシーズンには、冬のチューリヒの名物ともいえるヨーロッパ最大の屋内クリスマスマーケットと、豪華に輝くスワロフスキーの巨大クリスタルクリスマスツリーが飾られるのもこの場所だ。季節ごとにスポーツや芸術などのイベントが繰り広げられる。1871年に操業を開始した当時、かつてはこの広場のあたりまでレールが敷かれ、ホームだったのだという。広場には、女性の形をした彫刻が天井から吊るされている。スイス人彫刻家ティンゲリーと40年間連れ添った女性彫刻家、ニキ・ド・サンファルの作品である「ナナ」だ。金の羽根を持つカラフルな彫刻「ナナ」は旅の守護神で、チューリヒ中央駅の利用者をいつも見守っている。広場では特別イベントが入っていない毎週水曜日に、マルクト(市場)が開かれている。マルクトのそれぞれのテントでは、新鮮な野菜、チーズやパン、ソーセージなどの食材や、その場で味わえる軽食なども販売される。

週に1度、広場で開催されるマルクト。それぞれのテントを眺めながら、ゆっくりと地元の食材を眺めてみて歩くのも楽しい swissinfo.ch

この広場では全く何の予告も無しにある日突然、その日限りのイベントが開催される事もある。たまたまその場を訪れていた人達だけが目に出来るお楽しみという訳だ。昨年はチョコレートメーカーの試みで、アルプスの山から降りて来た本物の牛が登場し、新鮮ミルクを使用した新商品のチョコレートのプロモーションが行われていた。別の日に通りがかった際には、数台の自転車を全力でこぐ人達に遭遇。それは電話会社のプロモーションで、自転車をこぎ生み出した電力で、イベントへ立ち寄った人々に無料で携帯電話の充電サービスを行うという試みだった。数年前には日本の伝統楽器である三味線と和太鼓の演奏が、日本人&スイス人の日本伝統芸能の愛好会メンバーにより披露された事もあった。当日たまたまその時間帯に広場付近を歩いていた筆者も、偶然にスペシャルイベントを目にした。同じ時間に通りがかった人々は、足を止めて日本の伝統楽器を興味深そうに眺め、美しい三味線の音色と、迫力のある和太鼓の音に耳を傾けていた。

自動車メーカーのペインティングイベント。中央駅の広場では、様々なサプライズなイベントがいっぱい!何が開催されているかはその日のお楽しみ swissinfo.ch

チューリヒ中央駅の地下には、大きなショッピングモール「ショップヴィレ」(ShopVille-Zurich)が広がる。2014年の新しいホームの建設オープンと共に、一部リニューアルされた。更に広く、新しいショップも数々追加され、地下にある近郊列車のS-バーンのホームから、地上ホームへのアクセスも便利になった。ショップヴィレには土産物からスーパー、銀行、フラワーショップ、ファッション、電化製品、医薬品、書籍にアルコール類まで、ほぼ何でも揃う。ショッピングモールは1年365日オープンしている。(営業時間は店舗によって異なる)スイスでは通常、観光地のレストランや土産物屋などを除き、日曜日と祝祭日には、大型スーパーも含めて店舗はほぼすべて閉まっている。日曜日にどうしても買い物が必要な場合、駅のショッピングモールは空港のショップ同様、実はとても稀少で貴重な存在でもある。中央駅は、鉄道を利用するためだけの場所ではなく、市民にとってはショッピングセンターとしての重要な役割も果たしているのだ。先日、思いがけない光景を目にした。ショップヴィレに進出した新しいチョコレートショップの隣には、チューリヒのチョコレート&菓子の老舗シュプルングリの新店舗がオープンする運びとなった。新規参入の店との隣り合わせで、老舗の店の新店舗も開店。熾烈なチョコレートバトルとなるのか!?これもチョコレート好きの人々が多い、スイスならではともいえる生活風景なのかもしれない。中央駅の1階入口にはクリニックがあり、こちらも休日に診療している。旅行者の受け入れにも対応しているので、是非覚えておきたい。

チューリヒの陸の玄関、チューリヒ中央駅。入口には美しい凱旋アーチがあり、正面には鉄道のパイオニア、アルフレート・エッシャーの像が立ち、旅する人々を迎える swissinfo.ch
冬の間、Europaalleに期間限定で作られたスケートリンク。大人も子供もスケートを楽しんでいる伸び伸びとした姿が、スイスらしさを表しているような気もする swissinfo.ch

  中央駅周辺の再開発に伴い建設された、駅に隣接するEuropaalleeは、レストランやバー、ショップなどが連なるパサージュで、特に若達が集う新しいチューリヒのモダンエリアとして、近年地元でも人気上昇中だ。週末になると、バーの周りは多くの若者達で賑わう。クリスマス前から年末までの期間には、特設のスケートリンクが登場した。家族連れに小さな子供達はもちろん、会社帰りのスーツ姿のビジネスマンまで、大人も子供もライトアップされた夜のリンクでスケートを楽しんでいる姿がとても印象的であった。クルクルと美しいポーズでスピンを試みるスケーターの卵らしき幼い少女の姿がとても微笑ましい。Europaalleeは現在も建設工事が続いており、2020年には住居、オフィス、劇場なども兼ね備えた新エリアが完成予定だ。

中央駅の周りは現在も開発工事中。あと数年で、更にグレードアップした駅ビルが完成予定! swissinfo.ch

  チューリヒ中央駅はこれから先も進化を続ける。数年後に完成する新しい駅周辺エリアを目にするのも待ち遠しい。

スミス 香

プロフィール:スミス香

福岡生まれの福岡育ち。都内の大学へ進学、その後就職し、以降は東京で過ごす。スイス在住12年目。最初の2年間をバーゼルで過ごし、その後は転居して、現在は同じドイツ語圏のチューリヒ州で、日本文化をこよなく愛する英国人の夫と二人暮らし。日本・スイス・英国と3つの文化に囲まれながら、スイスでの生活は現在でもカルチャーショックを感じる日々。趣味は野球観戦、旅行、食べ歩き、美味しいワインを楽しむ事。自身では2009年より、美しいスイスの自然と季節の移り変わり、人々の生活風景を綴る、個人のブログ「スイスの街角から」をチューリヒ湖畔より更新中。

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