資産10億ドル超の「ビリオネア」、人数も資産総額も増加傾向
保有資産が10億ドル(約1140億円)以上の富豪「ビリオネア」は2016年、世界で1542人を記録した。そのうち35人はスイスに居住。世界のビリオネアの資産総額は前年比17%増の6兆ドル。背景には、アジアでビリオネアが急増していることや、資源、製造業、金融、テクノロジー分野の成長が挙げられる。
スイス金融大手UBSと国際監査法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が先月発表したレポート他のサイトへで分かった。スイスのビリオネアの資産総額は12%増で、増加率は平均を下回った。
富裕層の伸びが大きいのはアジアだ。中国・インドを中心に、新しいビリオネアが平均2日おきに誕生。前年比117人増の637人となり、米国の563人を上回った。
ビリオネアの総資産は米国がいまだトップだが、現在の傾向が続けばアジアのビリオネアの総資産が今後4年以内に米国を上回ることが予想される。
一方、欧州勢の資産は伸び悩んだ。16年末の時点で欧州に住むビリオネアは342人いたが、人数は横ばい。全体の総資産は緩やかに増加し、1.3兆ドル強に拡大した(5%増)。また、新しくビリオネアになったのは24人で、ビリオネアから外れた人は21人だった(そのうち3分の1は本人死去による)。
欧州のビリオネアの資産規模は、その国の経済力と緊密に結びついている。欧州最大の経済大国ドイツには、欧州最多の117人のビリオネアが居住。2位の英国は、ドイツよりも大幅に少ない55人。次いでイタリア(42人)、フランス(39人)、スイス(35人)。
総資産の増加率が欧州で最も高かったのがフランス。一部の家計が資産を増やしたことで、フランスのビリオネアの総資産は前年比で15%増えた。2位はスイス(12%増)、3位はスペイン(10%増)。一方、英国は1%増、ドイツはかろうじて0%を上回る程度だった。

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