スイス連邦政府は25日、新型コロナウイルスの流行第4波で医療崩壊に陥るのを防ぐため、ワクチン接種や陰性、り患済みを証明するCOVID証明書(ワクチンパスポート)の提示義務を広げることを提案した。
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アラン・ベルセ内務相は同日の記者会見で、レストランやスポーツ・文化・レジャー施設の屋内エリアを利用する際に、COVID証明書の提示を義務付けるなどの追加感染対策案を、26の州政府や雇用者団体、労働組合に諮ると述べた。
政府は職場でのCOVID証明書の活用も検討中だ。
ベルセ氏は、現在の状況は不安定で、急速に手に負えない事態に陥るリスクがあると説明。企業に対する在宅勤務の勧告も継続する。またワクチン接種率が比較的低く、感染力の強いデルタ株が感染を拡大させているとの見方を示した。
また新しい感染対策の効果は1カ月遅れて表れるため、政府は今の時点で手を打たなければならない、と強調。昨年のようなロックダウン(都市封鎖)で経済に根本的な打撃を与えるのを避けるのが目的だとした。
ベルセ氏は「病院の過負荷を防ぎ、すべての市民が医療サービスを受けられる体制を整えなければならない」とした。
無料検査を縮小
連邦政府は10月1日から、新型コロナの無料検査を縮小すると決めた。検査を有料にすることで、無料のワクチン接種を促す狙いがある。ただし16歳未満の青少年や発熱・咳などの症状のある人、また職場や学校での定期的な集団検査は引き続き無料とする。
ベルセ氏は州政府、労働組合、雇用者団体の大多数は、検査料を自己負担にすることに賛成したと述べた。
今回の政府の追加感染対策案に対しては賛否が分かれた。大半の政党と主要企業団体は決定を評価した。一方、右派のスイス国民党と飲食店団体は、不公平で経済にとって危険だと批判した。
COVID証明書の発行を盛り込んだCOVID法は、11月28日に2回目の国民投票にかけられる。
在外スイス人向けのワクチン
政府はまた、在外スイス人や越境労働者とその家族に無料でワクチンを接種できるようにすると発表した。これまではスイスに住む人々だけが無料で接種できた。
世界中に77万6千人いる在外スイス人を代表する在外スイス人組織(ASO)は、誰もが平等にワクチンを受けられるよう強く求めていた。
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