スイス国内の空には無数のドローンが飛ぶ
Keystone
スイスの空には、無登録のドローン(小型偵察機)が何万個も飛んでいる。個体が小さいなどで検出すらされないものもある。これに対し、スイス連邦政府は250g以上のドローンすべてに登録を義務付ける予定だ。
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独語圏のNZZ日曜版外部リンクによると、スイス連邦運輸省民間航空局は来年にも、ドローンの操縦者に対し、本人と個体の登録を義務付ける。
登録制度は、個人のドローン利用者の急増を受け、2017年から議論が進んでいた。民間航空局の広報担当者は、来年から250グラム以上のドローンを登録制とする欧州連合(EU)の規制をスイスも適用すると述べた。
現時点で、スイスでは30キログラム未満で目視可能なドローンは使用が容認されている。空港や公共の集会などリスクが高いエリアについては飛行制限が課される。
しかし現状ではドローンの監視が難しく、登録制度がないと事故などが起こった場合の操縦者の特定や訴追が困難だ。ドローンは価格が手ごろで小型だが、事故や損害が起きやすい。
これまでに他国でドローンが空の交通に混乱を引き起こしたり、空域を閉鎖せざるを得なくなったりという事態が発生していることを受け、ジュネーブ空港などでつくる関係者団体が対応策を協議している。昨年12月外部リンクには、複数のドローンが英国ロンドンのガトウィック空港外部リンク上空に侵入、国内線、国際線が運休、滑走路が一時閉鎖された。
スイスはEUに先駆けて登録制度を試験的に導入する予定だ。
NZZの報道によると、ジュネーブ拠点の航空ナビゲーションサービスプロバイダー・スカイガイド外部リンクが最近、ジュネーブとスイス南部ルガーノの都市で、ドローンを航空監視システムに組み込む実験を始めた。
同社のシステムU-Spaceでは、ドローンの操縦者が飛行経路をアプリを通じて申請。問題がなければ許可が下りるか、または経路の変更を求められる。
一方、こうしたデータに対する警察のアクセス権限をどうするかについてはまだ議論の段階だという。
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