WTO新トップを「お祖母さん」呼ばわり スイスメディアが謝罪
初の女性・アフリカ出身者として世界貿易機関(WTO)のトップに就任したナイジェリアのンゴジ・オコンジョ・イウェアラ氏(66)を、スイス紙が見出しで「お祖母さん」と表現した問題で、メディア会社「CH Media」が正式に謝罪した。
ンゴジ氏は1日、CH Mediaからの謝罪文を公開し「彼らが謝罪したことは重要かつタイムリーだ」とツイートした。
ンゴジ氏は、母国ナイジェリアでは財務相・外務相を歴任し、世界銀行では専務理事を25年間務めた。1日、WTOの新事務局長に就任した。
先月9日、CH Mediaに属するドイツ語圏のアールガウアー・ツァイトゥング、ルツェルナー・ツァイトゥング、ザンクトガラー・タークブラット各紙は、ンゴジ氏のWTO正式選出を「このお祖母さんがWTOのボスになる」という見出しで報じた。
これを見た国連機関の女性管理職数人及びジュネーブの124人の大使が、見出しは「不快で、性差別的で、人種差別的だ」と抗議する声明に署名。見出しは後に変更された。
「不適切かつ正しくない」
CH Mediaの編集長サミュエル・シューマッハ氏は先月26日、「見出しは不適切かつ正しくなかった」とし、過ちを謝罪した。また、記事を担当したヤン・ディルク・ヘルバーマン氏の責任ではない点を強調した。
ンゴジ氏はツイートで「この新聞の人種差別的&性差別的発言を非難する請願書に署名してくれたすべての姉妹たち、国連の女性リーダーたち、そしてジュネーブの124人の大使に感謝します」と述べ、「私たちは、このような問題が起きたときには、すぐさま行動を呼びかける必要があります」と訴えた。
また、ジュリア・ギラード元オーストラリア首相との共著「Women and Leadership(女性とリーダーシップ)」の中で、このような「女性がリーダーシップを発揮する際に直面する固定観念」について正確に語っていると話した。

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