スイス・中国外相会談では、人権や経済関係が主要な議題となった
Keystone / Alessandro Della Valle
スイスを公式訪問中の中国の王毅外相は22日、スイスの首都ベルンでイグナツィオ・カシス外相と相次ぎ会談した。カシス外相との会談では、香港のデモやチベットの少数民族について議論が交わされた。
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スイス政府の発表外部リンクによると、カシス外相は香港の現状について議論。チベットや新疆ウイグル自治区を中心に中国の少数民族に対するスイスの懸念を伝えた。
カシス外相は「人権問題に関して、二国間の対話と多国間イニシアチブは相互補完的な手段だ」と述べた。
経済関係も主要な話題の一つだった。カシス氏は中国が6月末に発表した外資規制の緩和を歓迎した。
スイス政府は「スイス企業にとって自由貿易協定(FTA)の改定と中国金融市場へのアクセスは非常に重要だ」と強調する。中国は欧州連合(EU)、米国に次いで3番目に大きな貿易相手国だ。2018年の貿易額は440億フラン(約4兆8千億円)で、対日本の120億フランをおおきくしのぐ。中国の掲げる「一帯一路」構想において関係強化を狙い、今年4月に第三国市場での協力に関する覚書を取り交わした。カシス氏は会談で、一帯一路構想を進めるにあたっては、中国が社会的・環境的な品質基準を満たすべきだと強調した。
2020年のスイス・中国の国交樹立70周年記念に向け、中国・スイス間の要人訪問が増えている。17年に習近平国家主席がスイスを訪問したのを始め、18年にカシス外相、今年春にはマウラー大統領が訪中した。
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