スイス連邦内務省は、本物の毛皮は今後そのように明記すべきとする法案をまとめ、意見公募にかけた。本件と同時にその他の毛皮表記に関する調整案も提出された。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦内務省は11日、製品が動物由来かアニマルフリーか確かめたくても顧客には判断が難しいため、本物の場合は今後、読みやすく見やすい場所に「本物の毛皮」と明記するべきだと発表した。
だが実際、毛皮を仕入れる際、毛皮や毛皮製品の起源および入手方法は必ずしも明らかにされない上、情報も信頼できないケースが多い。そのためメーカーがラベルに「原産地不明」と記入することも許可される。
毛皮の入手に関する記入方法も改善案を提起。従来の「土の地面でのケージ飼育」という表記は、実際には衛生上・経済上の理由からそうした環境で飼育する例はないため、廃止するよう求めている。
「群れでの飼育」という表記は、「集団飼育」という表記に置き換えられる。事実、毛皮の使用が目的で飼育される動物が群れで飼われることはない。誤解を避けるため、これらの用語を廃止する必要がある。
ウサギの場合
改正後は「金網の床のケージ飼育」と「集団飼育」という二つの表記のみが可能になるが、ウサギはこれらの表記が該当しないケースがある。そのため、ウサギには例外的に別の表記が作成される。
現時点では、毛皮または毛皮製品の入手方法が明らかでない場合、狩猟(罠使用、罠不使用)かあるいはケージ飼育などの飼育方法による採収と記載するだけでよかった。
今後、入手方法の情報が不十分な場合でも、①罠を使った狩猟②罠を不使用の狩猟③集団飼育④金網のケージ飼育、のいずれかに分類し明記する義務が生じる。
これらの調整案は、スイス政府が昨年発表した毛皮の表記に義務に関する報告書が背景にある。スイスでは毛皮申告規定が2013年に施行された。スイスは毛皮について情報表示を義務づけている欧州で唯一の国だ。
内務省は今年5月中旬まで意見公募を続ける。
おすすめの記事
スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府のイグナツィオ・カシス外相は19日、ウクライナ情勢を巡る和平交渉について、スイスはロシアとウクライナの首脳会談を開催する「準備は万全」と述べた。
もっと読む スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
おすすめの記事
職場
スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの時計大手スウォッチはつり目ポーズのモデルを使った広告を謝罪し、撤回した。中国を中心に人種差別的だとの批判が出ていた。
もっと読む スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
おすすめの記事
世界貿易
トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
このコンテンツが公開されたのは、
スイスに対し39%の関税を発表する前日の7月31日、ドナルド・トランプ大統領がカリン・ケラー・ズッター大統領との電話会談で、米国への「投資」ではなく直接的な金銭支払いを要求していたことが分かった。大衆紙ブリック日曜版が報じた。
もっと読む トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
おすすめの記事
文化
ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部で開催されたロカルノ国際映画祭で、三宅唱監督の「旅と日々」が最高賞にあたる金豹賞を受賞した。
もっと読む ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
おすすめの記事
宇宙研究
国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
このコンテンツが公開されたのは、
日本製とドイツ製のロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)で「宝探し」をして遊んだ。スイス・ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)もこの実験に貢献した。
もっと読む 国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
おすすめの記事
スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)が、新フラン札のデザイン案12点を発表した。来月7日まで、インターネット上で一般投票が行われる。
もっと読む スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
おすすめの記事
気候適応
ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
このコンテンツが公開されたのは、
ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。
もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
おすすめの記事
スイスで記録的暑さ 政府が警告
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで全国的に気温が上昇し、猛暑への警戒が強まっている。11日にはスイス西部と南部ティチーノ州の一部地域に対し、熱中症など健康被害を受けるリスクが大きい「危険度3」の警報が発令された。
もっと読む スイスで記録的暑さ 政府が警告
おすすめの記事
文化
知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
このコンテンツが公開されたのは、
ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。
もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
おすすめの記事
貿易政策
スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
このコンテンツが公開されたのは、
米国がスイスに課す39%の「相互関税」をめぐり、スイス政府は4日、米国との協議を続け「より魅力的な提案をする」と表明した。
もっと読む スイス政府、相互関税で米国との協議継続を表明
続きを読む
おすすめの記事
動物の福祉 毛皮の輸入は禁止すべき?
このコンテンツが公開されたのは、
寒い日で、ベルンの街を行く人々は皆暖かい服を着込んでいる。だが1人例外がいる。この女性は下着にスカーフとブーツ姿で、次のようなメッセージを身につけている。「毛皮を着るよりも裸(同然)の方がまし」。動物を虐待して作られた…
もっと読む 動物の福祉 毛皮の輸入は禁止すべき?
おすすめの記事
スイス小売最大手ミグロ、放し飼い卵に販売を限定
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの小売最大手・ミグロは、2020年末までに放し飼い以外でとれた鶏卵の販売を止める。動物愛護と、消費者のニーズに応える。
もっと読む スイス小売最大手ミグロ、放し飼い卵に販売を限定
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。