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カード不正読み取り被害急増の影に、犯罪組織



日本でも被害が絶えないスキミング犯罪。カードと暗証番号をきちんと管理することが大切だ

日本でも被害が絶えないスキミング犯罪。カードと暗証番号をきちんと管理することが大切だ

(Keystone)

「スキミング(skimming)」と呼ばれる犯罪が2011年に入ってからスイス国内で急増。これは組織化された犯罪集団によるものだ。

スキミングとは、銀行の磁気カードに含まれる暗証番号などの情報を機械で読み取り、現金を不正に引き出したりする行為。警察当局によると、ヨーロッパ全域で増加傾向にある。

 ヴォー州警察のジャン・クリストフ・ソテレル氏は、2011年に入って以来スキミング犯罪は「爆発的」に増加していると言う。

 「技術といい計画性といい、明らかに組織化された集団による犯行だ。ルーマニア人やブルガリア人が実行犯であることが多い」

ヨーロッパ全域で被害増加

 銀行の現金自動預払機(ATM)や、スーパーマーケットのデビットカード(銀行普口座からの即時支払ができるカード)決済機、さらに電車の切符販売機もターゲットになっているという。こうした犯罪がヨーロッパ全域で増加している理由は、スキミングに必要な機械がインターネットですぐに入手できるからだとサウテレル氏は指摘する。

 

 さらに、「これは先進諸国すべてに影響が及んでいる問題だが、特にフランスでの被害が多い。単一グループではなく複数の犯罪集団が、ヨーロッパ中にスキミング機を設置して回っている」と語る。

「莫大な被害額」

 スイス国内でスキミング犯罪に利用されたATMの台数は、2009年は32台だったのに対し、2010年には135台、2011年に入ってからは既に225台に達している。これは、証券・金融・支払取引等の業務を提供するスイスの金融グループ「シックス・グループ(SIX Group)」による統計で明らかになったものだ。

 「今年4月末までの推定被害総額は200万ドル(約1億6000万円)に上る」

とシックス・グループのシンディ・シュミーゲル氏は語る。

 「これは、スイスの業務提供企業としてわれわれが届け出た額に過ぎないが、莫大な金額だ」

 シュミーゲル氏によれば、不審な取り引きを理由とするカードの利用停止件数は、劇的に増加している。2009年には6200件だったが、2011年1月から4月までで2万2000件にも上っている。シックス・グループでは、不正取引防止対策の一環としてカードを無効にしているという。

 「われわれの計算では、数百万フラン(数億円)の不正取引が回避可能だ。従って、少しでも不審と思われる取り引きが発見された場合には、そのカードを無効にすることにしている」

 と説明する。

 スキミング犯罪の被害にあったフリブール州のある女性は、そうした銀行の判断でカードを無効にされたひとりだ。地元の商店でカードを利用した際にカード情報がスキミングされ、その2カ月後に「不審な取り引き」が発見されたという理由で銀行がカード取引を停止した。

 その女性は、

 「銀行の支店長から、私のカード情報と暗証番号が盗まれたこと、そしてそれがいつ行われたのかを知らされた。そのときに、これがスキミングと言われる手口だと教えられた。犯人は国外でカードの不正利用を試みたものの失敗したようだ、と支店長は話していた」と語った。

一獲千金

 スキミングはほとんどの場合、ATMまたはカード情報読み取り機に不正操作を施してカード情報を盗み取る。それと同時に、ATM上部にカメラを設置するか、カード所有者が暗証番号を入力する手元を何者かが見て、暗証番号が盗まれる。

 「一番大切なのは、暗証番号をきちんと管理することだ」とシュミーゲル氏は言う。

 磁気カード情報と暗証番号は盗まれた後、カード情報読み取り機を使って、未使用のカードにコピーされる。そうしたカードが不正利用されるのは大抵スイス国外で、商品購入の際に使われたり現金を引き出されたりする

 ヴォー州警察のソテレル氏は、

 「カード情報を盗み取るためにはわずかな知識があれば十分で、たいして難しいことではない」

 と言う。

 磁気カード技術は、最近では銀行以外のサービスでも一般的に用いられるようになり、カード情報読み取り機はインターネットで簡単に購入できるようになったとソテレル氏は指摘する。

 「最低限のものさえあればカード情報を解読できることは知られている。それは数年前までは専門業者でなければ入手不可能なものだったが、今では、カード情報読み取り機は珍しい機械ではなくなった。インターネットで取り寄せることができ、しかも決して高価なものではない」

口座が空っぽに?

 前出の被害にあった女性のカードをスキミングした犯人は、結局のところ失敗に終わった。しかし、この女性は事件以来、不安が先立ち、ATMを利用したり商品をカードで購入することはできなくなったという。

 「スキミング犯罪は、私が毎週行く店で起こった。銀行からは、犯人は数時間ごとにターゲットの店を変えて移動しているから、同じ店での再発はまずないと言われた」

 と説明する。

 さらに、

 「私が必ず実行しようと思うのは、暗証番号をより頻繁に変更すること。それ以外の対策は、実際にはほとんどないと思う」

 と語る。

「ただこの問題で気がかりなのは、犯罪者たちのほうが一枚上手であるように見えること。たまたま運が悪かったら、口座が空っぽになってしまうのかもしれない」

スイス国内の被害

ATMの不正改造

2009年:32台

2010年:135台

2011年1月~4月:225台

カードの取引停止

2009年:6200件

2010年:5500件

2011年1月~4月:2万2500件

情報提供:シックス・グループ

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安全対策

暗証番号入力の際に手元を隠し、録画されるのを防ぐ。また、誰も見ていないことを確認する。

現金自動預払機(ATM)やカードに異常がある場合は、すぐに届け出る。

カードは使用後すぐにしまう。

カードが機械から出てこない場合は、銀行に届け出て直ちにカードを無効にする。

夜間に人気のないATMを利用しない。

閉店後の店内のATMを利用するためにカードを使ってドアを開ける場合、暗証番号は必要ない。もし暗証番号を聞かれたら警戒すること。

情報提供:ヴォー州警察

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(英語からの翻訳、濱四津雅子 ), swissinfo.ch


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