スイスでは今年、肺がんによる死者が3500人に上るとみられる
KEYSTONE/DPA/Felix Hörhager
世界保健機関(WHO)が12日発表した調査で、スイスでは今年、新たにがんと診断される患者が5万6千人超に上る見込みであることがわかった。
このコンテンツが公開されたのは、
調査はWHOの国際がん研究機関(IARC)がまとめた。調査では、このうち1万8千人以上が死亡に至ると予測。1万300人が男性という。
男性の10人に1人、女性の7.4人に1人が75歳までにがんで死亡する確率が高いという。
患者の5人に1人が非黒色腫皮膚がんで、致死率の高い肺がんによる死亡者は3500人に上る見込み。スイスの人口は約850万人。
5万6千人のうち男性は約3万人、女性は約2万6千人。男性では3人に1人、女性では25%超が75歳になる前に罹患する可能性が高い。スイスに住む男性約10万3千人と9万8千人超の女性が過去5年間でがんと診断された。
他国ではどうか
報告書の調査対象は185カ国。世界中で、がんの患者数は今後20年間で61%増加すると予測している。新たにがんと診断される人は3千万人、死亡者数は1600万人を超える見込みという。
地域別では、全体の約半数をアジアが占める。世界人口の9%を占める欧州は、がんと診断される人の数では全体の4分の1、死亡者数では20%超。南米・北米大陸は21%、死亡者は15%をわずかに下回った。アジアとアフリカは診察・治療へのアクセスが限られており、死亡者の割合が世界全体の総数と比較しても高い。
WHOが出した今年の欧州健康調査報告では、スイスとルクセンブルクが平均寿命の最も長い国(83歳)に位置づけられている。
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
続きを読む
おすすめの記事
スイス、「住みやすい国」のランク落とす
このコンテンツが公開されたのは、
国外在住者が現在の居住国を評価する今年の「住みやすい国ランキング」で、スイスは68カ国中44位と振るわなかった。47位の米国より高いが、42位の日本より低い。このランキングから、アルプスの国が抱える障壁と厳しい現実が垣間見える。
もっと読む スイス、「住みやすい国」のランク落とす
おすすめの記事
スイスの救急外来利用、州で大きな差
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのフランス語圏とイタリア語圏は、ドイツ語圏よりも救急外来を受診する人が多いことが、スイス健康調査機関(OBSAN)のまとめでわかった。
もっと読む スイスの救急外来利用、州で大きな差
おすすめの記事
スイスの個別化医療、その現状は?
このコンテンツが公開されたのは、
製薬・化学薬品の研究で定評のあるスイスは、「個別化医療」や「プレシジョン・メディシン(精密医療)」と呼ばれる先駆的な医療技術の研究開発分野でも優れている。こうした医療の現状を探った。
もっと読む スイスの個別化医療、その現状は?
おすすめの記事
「脳をだます」ハイテクな治療装置 臨床に応用
このコンテンツが公開されたのは、
世界的に、脳疾患の治療法は絶望的なまでに不足している。だが、スイスの神経科学ベンチャー企業と研究所が、こうした疾患に苦しむ人々を助けるハイテクな治療装置を開発中だ。連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)で開催された国際神経科学会議「2015年ブレイン・フォーラム」に参加して、現状を探った。
もっと読む 「脳をだます」ハイテクな治療装置 臨床に応用
おすすめの記事
ノバルティス、抗がん剤事業に注力 その背景にあるものは?
このコンテンツが公開されたのは、
命を救う抗がん剤は製薬会社が努力しなくても売れると思われているが、成功するためには市場動向を見極め、特定の疾患領域に的を絞らなければならない。 一つの例が乳がん治療薬だ。ヨーロッパでタイヴァーブの名で発売されているG…
もっと読む ノバルティス、抗がん剤事業に注力 その背景にあるものは?
おすすめの記事
心臓血管病やがんなどの非感染性疾患 治療費は8割、スイス
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで、心臓血管病やがんなどの非感染性疾患(NCDs)にかかる治療費は全体の80%を占めることが、初の調査でわかった。もっとも高額だったのは心臓血管病だった。
もっと読む 心臓血管病やがんなどの非感染性疾患 治療費は8割、スイス
おすすめの記事
長期化するスイスの休暇 平均5.1週間
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで働く人の有給休暇は長くなっている。過去20年で、年間の休暇取得日数は半週間増えた。2012年の国民投票でスイス人は休暇の増加に反対したが、実際は民意と逆のことが起きている。
もっと読む 長期化するスイスの休暇 平均5.1週間
おすすめの記事
スイス人は週に何時間働く?
このコンテンツが公開されたのは、
週41時間10分。これはフルタイムで仕事をしている人のスイスの平均労働時間だ。他の多くの先進国と比較して少ない。どのようにスイスはこの幸せに見える状況を作り上げたのか。なぜ労働組合や業界団体はそれでもこの問題に取り組んでいるのか。
もっと読む スイス人は週に何時間働く?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。