環境団体(Break Free from Plastic外部リンク)が行った「プラスチック汚染企業」調査で、スイスの食品世界最大手ネスレ(本社・ヴヴェイ)が、世界をプラスチックで汚染する企業ランキング3位に入った。
このコンテンツが公開されたのは、
同調査によると、世界3大プラスチック汚染企業はコカ・コーラ、ペプシコ、そしてネスレ。ネスレは例年ワースト上位に名を連ねる。
調査に参加した国際環境NGOのグリーンピースは15日の声明外部リンクで、プラスチック問題に対処するためには、民間企業の自主的な取り組みだけでは不十分だとし、世界的なプラスチック協定の必要性を訴えた。
スイスの通信社Keystone-SDAの取材に対し、ネスレは2019~21年の間にプラスチック包装を重量で35%削減したと声明で回答。プラスチックを削減するもう1つの取り組みである再利用や詰め替え可能な容器にも触れ、12カ国で20件の試験的なプロジェクトを実施しているとした。ただし更なる取り組みへの必要性も認識していると述べた。
ネスレによると、2021年末までにプラスチック包装の8割をリサイクル可能にするよう、デザインを刷新中だ。最終的にはリサイクル率100%を目指すという。また、現在、リサイクルインフラの欠如がごみのない未来への主な障害となっていると指摘。国連のプラスチックの国際条約発足に向け、尽力していると述べた。
「ごみの記念日」
世界中の活動家らは15日、企業の無策に対する抗議として「ごみの日」5周年を祝った。プラスチック汚染に名を連ねる企業に対し、企業自身が流通させたごみを送り返したり手渡したりして、早急な対処を求めた。
5年連続で行われた「プラスチック汚染企業」の2022年調査には、世界6大陸の44カ国で1万4760人のボランティアが協力し、約43万個のプラスチックごみが記録された。メーカーを確認できたごみを集計した結果、1位は5年連続でコカ・コーラだった。2位にペプシコ、3位にネスレが続く。
また、コカ・コーラは、気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)のメインスポンサーを務めていることでも批判を浴びている。
英語からの翻訳:シュミット一恵
おすすめの記事
「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。
もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
おすすめの記事
製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大手製薬ノバルティスは22日、2025年で任期満了となるヨルク・ラインハルト取締役会長の後任に、ジョバンニ・カフォリオ氏を選出すると発表した。
もっと読む 製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
おすすめの記事
スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
このコンテンツが公開されたのは、
エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。
もっと読む スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
おすすめの記事
スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)は17日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)の資産を追及する主要7カ国(G7)の国際作業部会には参加しないことを決めた。
もっと読む スイス議会、G7のロシア資産追及チームへの参加を否決
おすすめの記事
米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
このコンテンツが公開されたのは、
米政府高官は14日、イランによるイスラエル攻撃の前後に、米国は利益代表国であるスイスを通じてイランと接触していたと述べた。
もっと読む 米・イラン、攻撃前に「スイスを通じて」接触
おすすめの記事
チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒの春祭り「セクセロイテン」が15日開かれた。巨大な「雪男」を燃やして夏の天気を占う恒例行事は強風により中止となった。
もっと読む チューリヒ春祭りの雪男、強風で燃えず 歴史上初
おすすめの記事
スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は10日、「大きすぎて潰せない(TBTF)」銀行に関する規制改革案を発表した。UBSと他の「システム上重要な銀行」3行は、破綻時のスイス経済への影響を抑えるためにより厳しい資本要件を課される必要があると述べた。
もっと読む スイス政府、銀行規制の改革案を発表 UBSの資本要件強化へ
おすすめの記事
新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ティチーノ州の約2億4200万年前の地層から新種のイカの化石が見つかり、「Chuchichäschtli(クッヒカーシュトリ、スイスドイツ語で『食器棚』)」と名付けられた。
もっと読む 新種のイカの化石、名前は発音が難しいスイスドイツ語に
おすすめの記事
スイスのサマータイム廃止はいつ?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで夏時間(サマータイム)が始まった。3月31日午前2時にすべての時計の針が1時間ジャンプし、午前3時を指した。だが夏時間制はとうの昔に廃止されるはずではなかったのか?
もっと読む スイスのサマータイム廃止はいつ?
続きを読む
おすすめの記事
スイスの大量のプラスチックごみ リサイクル率の低さはなぜ?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは他の欧州諸国と比べて3倍ものプラスチックを消費する一方で、リサイクル率は3割も低い。ただ、欧州連合と中国のリサイクル事情の変化に伴い、スイスの状況もまた変わりつつある。
もっと読む スイスの大量のプラスチックごみ リサイクル率の低さはなぜ?
おすすめの記事
【南極海調査ブログ②】南極の魚はプラスチックを食べているのか?
このコンテンツが公開されたのは、
研究船ポーラーシュテルン号は南極のサンプル採取の主要地点に到着した。魚がマイクロプラスチックを摂取しているかどうかを知るには、魚の体内、つまり消化管の中身を調べる必要がある。
もっと読む 【南極海調査ブログ②】南極の魚はプラスチックを食べているのか?
おすすめの記事
ネスレ、プラスチックごみの製造元トップ3に
このコンテンツが公開されたのは、
国際環境NGOグリーンピースによると、スイスの食品大手ネスレはコカ・コーラやペプシコに並び、世界で見つかるプラスチックごみの3大製造元だ。
もっと読む ネスレ、プラスチックごみの製造元トップ3に
おすすめの記事
アルプスもマイクロプラスチックの発生源?スイスの学生らが調査
このコンテンツが公開されたのは、
スイス・グラウビュンデン州オーバーエンガディン地方。深い青色の透明な湖や川は澄み切って、まるで絵葉書のようだ。しかし、この水がマイクロプラスチックやマイクロファイバーを運んでいるとしたら?スイスの科学者チームが実態究明に乗り出した。
もっと読む アルプスもマイクロプラスチックの発生源?スイスの学生らが調査
おすすめの記事
海のプラスチックごみ、巨大ヨットできれいに
このコンテンツが公開されたのは、
海に漂うプラスチックごみを巨大ヨットで集積―。ソーラーエネルギーで動く巨大ヨット「マンタ」が今月、スイス・ジュネーブで開かれたジュネーブ国際発明展で初公開された。発案したのは著名なスイス人航海士イヴァン・ブルゴーニュさん(46)だ。
もっと読む 海のプラスチックごみ、巨大ヨットできれいに
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。