スイスの視点を10言語で

もぐもぐスイス味 その2 — モモヨ隊員とカワスズキ —

swissinfo.ch

「カワスズキを食べるならここ」と推薦された。場所はローザンヌ ( Lausanne ) のオリンピック博物館 ( Musée Olympique de Lausanne ) のレストラン。

レマン湖で取れるカワスズキをムニエルにした「フィレ・ドゥ・ペルシュ ( Filet de Perche ) 」はレマン湖周辺の名物料理である。

 ローザンヌ駅から地下鉄が工事中なので臨時バスでウシ ( Ouchy ) まで行き、アルプスを見ながら湖畔を歩いた。すばらしい眺めに「日本の母を連れて来たいわ」とモモヨ隊員。これからこの湖で取れるカワスズキをアルプスを眺めながら食べるのだと思うと心がはずむ。オリンピック博物館は、湖に面した緑の小高い丘の上にあった。

絶景とカワスズキ

 展示は横目でサッと流し、入口を入るとすぐのらせん階段を上る。最上階のレストランは光がさんさんと溢れる広々とした空間だった。展示を観を観た後食事をする団体客が多い。しかしウエイターたちの対応は迅速で心地よい。

 名物のカワスズキを注文。こんがり狐色のカワスズキが行儀よく、ダリアの花のように並べられて出てきた。みじん切りのトマトとパセリが上にかかり狐色に映えて食欲をそそる。カワスズキは歯ざわりがよく新鮮。だが少々塩辛い。「恋に落ちると塩辛い味付けになる」というからコックは恋愛中かと思いながら、タルタルソースで塩味をごまかす。

 「カワスズキはもちろんレマン湖産ですよね?」とコック長に質問。「それが、水温が上がって定期的に手に入らず、輸入ものが中心です」との答え。レマン湖畔のレストランの90%がポーランドかエストニアのものを使っているという。が、後者のほうが味が良いとのこと。

 「今は中に120席ですが、夏には外に90席設けます」とテラスに案内された。スイスで一番美しい風景の1つと言っても過言ではない絶景。半日を使ってオリンピックの展示を観た後、この風景とカワスズキのセットは悪くない。

・・・でモモヨ隊員は

 「コレは・・いわゆる清く正しい普通の博物館付属レストランってやつですね、サトノブ隊長」「眺めバツグンって観光ガイドが書けそうだわね」 

 カワスズキ登場。なんとも美しくもコンガリしたムニエル。 味はいいけど、なんかちょっとしょっぱいですよねコレ、隊長。2人でもぐもぐ ?  モグモグ ?  

 後のテーブルの人もカワスズキなので、こっそり塩加減を聞いてみた。「おいしいですよお」と問題なし。「? 」 担当したコックさんによるのかしらん。 

 お皿を下げにきたお姉さんに「デザートいかがでしょう、トレトレボンです」とささやかれて即注文。タルトタタンにさっぱりとした特別外注シナモンアイスの載った一皿。2つのハーモニーがエキセントリックなおいしさでイチオシです。主観塩度4

swissinfo、もぐもぐスイス味探検隊 里信邦子( さとのぶ くにこ )& モモヨ

ローザンヌオリンピック博物館 ( Musée Olympique de Lausanne )

住所 : Quai d’Ouchy 1 1001 Lausanne

電話 : 021 621 65 78 ( 団体客が多いので要予約 )

時間 : 9時〜18時 ( 基本的には昼食用のレストランで18時までやっているが、メニューオーダーは11時45分〜14時30分。以降は喫茶のみ)

メニュー :  カワスズキのフィレ・ドゥ・ペルシュは33フラン ( 約3100円 ) 。他に昼の日替わりメニューがあり、サラダとメインの1品で19フラン ( 約1800円 ) 、菜食メニューは17.50フラン ( 1700フラン ) 。土曜日と日曜日は、特別メニューで39フラン ( 約3700円 )

予算 : 2人でサラダとフィレ・ドゥ・ペルシュ、ワインを1杯ずつにコーヒー、ミネラルウォーター、タルトで90フラン ( 約9200円 )

行き方 : ローザンヌ ( Lausanne ) 駅からタクシーがお勧め。もしくは地下鉄かバスでウシ ( Ouchy ) まで行き、湖岸を徒歩で10分

いわゆるムニエルの料理法が基本。このレストランでは、小麦粉をつけたカワスズキを油でさっと焦げ目がつくように30秒ぐらい焼き、バターを加え、それが泡立つようにする。

カワスズキを取り出して、そこにレモン汁、パセリのみじん切りとトマトのみじん切り( 5ミリメートル角 ) を入れ、きれいに並べたカワスズキの上からソースとしてかける。

これに、フライドポテトを添えるのが一般的。

1 普通
2 濃い味好み
3 血圧注意
4 チャレンジャー
5 死海風

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部