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グローバルメニュー

もぐもぐスイス味 その6 — モモヨ隊員とティチーノ州のポレンタ —

(swissinfo.ch)

「イタリア語圏でポレンタを食べるのなら、絶対グロット( Grotto ) で」とティチーノ州出身の友人。ポレンタとはとうもろこしの粉をお湯でとき、1時間弱火で煮込んだもの。

そして、グロットとは山にある岩穴のこと。かつてはワイン貯蔵に使われた。その後つまみで一杯やっていたのが発展し、簡素なレストランになった。今でもサラミやチーズ、ポレンタときのこ、ウサギ肉など、地元産のものが味わえる。

 6月初めのティチーノ州の町ルガーノ ( Lugano ) には、びわが実っていた。南の国に来たのだ。イタリア文化とスイス的な山文化が不思議に混在する。料理も「イタリアのポレンタを山小屋で」というコンセプトだから、実にこの2つの文化が溶け合ったものなのだ。町の中心からタクシーで10分。森の木立の中にそのグロットはあった。名前は「グロット・モルチーノ ( Grotto Morchino ) 」。 

すべて素朴でしゃれている

 あふれる笑顔で迎えてくれたのは「先祖がモルチーノ地域の領主に仕え、家畜とワイン倉の管理をしていた」と語るピエルイジ・オルジャーティさん。1842年にこのワイン倉を買い取ったというから歴史がある。

 中はいかにもワインを軽く飲んでいた場所らしく暖炉があるだけの、シンプルな長方形の空間。しかし壁が黄土色でしゃれている。6人がけ6つのテーブルには、もう客がいっぱい。

 「食前酒はこれ」と出されたのが、地の赤ワイン「ピッキオ・ロッソ ( Picchio Rosso ) 」を、ラムネ風のレモネードで割ったもの「メェツ・エ・メェツ ( Mez e Mez ) 」。青と赤線の入った陶器のお椀がまた素朴である。

 お目当てのとうもろこしの粉を煮込んだポレンタは、代表的な黄色ではなく、精錬されてない白い粉に黒いぶつぶつが入ったもの。2種類の粉が混ぜてあるという。それ自体はご飯のように味がほとんどないが、とうもろこしのにおいがかすかにし、添えてある肉のソースがからむとおいしくなる。秋にはポルチーノ ( Porchino ) というきのこをソースで煮込んだものがこの地方の名物という。

 次はデザート。お腹はいっぱいなのだが、手作りとあっては断れないのが「ロトロ・ディ・カスターニェ ( Rotolo Di Castagne ) 」という栗、胡桃などの入った練りようかん風のもの。これがまたおいしい。

 食後酒もこの地方の特産、胡桃でできたノッチーノ ( Nocino ) 。黒く、とろりと甘い味でエスプレッソと実によく合う。イタリア語圏に来ると、なぜかくも素朴でおいしくかつしゃれているのだろうかとずっしりとした木のテーブルに肘をつき考え込んだ。

・・・でモモヨ隊員は

 「イタリアね・ウフ」「ええ、スイスだけどイタリアですね。グフフ」ミニ渓谷に建っているので周りはなんとも立派な木々で囲まれ、中にはいると一目で、おいしそう、あったかそうなレストラン。おいしいものと楽しいおしゃべりを一晩楽しむって決めた人たちがいっぱい。

 大きな手をした若旦那が、隊長にフランス語で説明してくれる。モモヨ隊員もフムフムと (わからないけど) うなずいていると、隊員の方も見つめてくれる。 隊員ますます深くうなずきかえす。

 「隊長、お店の人まで陽気でおいしそうですよね。で、何がおいしいって言ってました、彼?」今日はポレンタを食べにきたので、メインの方を選ぶだけ。おすすめの牛のデミグラスソース風の煮込み一品と、ウサギの煮込みにする。

 もちろん、互いの皿を味見。今晩は、ウサギは肉の味というものがよくわかる一品ではあったけれど、ビーフの方がとろりじっくりな味わいでよろしいということになった。

 メインを食べた後のデザート、別腹を持たないモモヨ隊員はあと一時間くらいたてば食べられるかもしれない。隊長は楽勝。「これおいしいわあ。懐かしい栗ようかんみたいな味がするの」

 デザートまで楽しみたい人は、やっぱりじっくりゆっくり一晩かけて行くのがおすすめ。主観塩度1

swissinfo、もぐもぐスイス味探検隊 里信邦子( さとのぶ くにこ )& モモヨ

キーワード

グロット・モルチーノ ( Grotto Morchino )

住所 :  Via Carona 1 - 6912 Pazzallo

電話 : 091 994 60 44 ( 要予約 )

インターネット : www.morchino.ch

期間 :  12月23日から春3月1日までは閉店。それ以外は月曜閉店。

時間 : 10〜14時 ( 朝方から一杯飲みに来る人用の10時には開店 ) 、夜は18〜24時 ( メニューオーダーは22時まで )

メニュー :  サラミなどの盛り合わせやチーズも前菜で食べられる。ポレンタと牛肉のブラザート( Polenta e Brasato ) 、ポレンタとウサギ肉のコンニョ ( Polenta e Coniglio ) などは、それぞれ22フラン ( 約2200円 ) と20フラン ( 約2000円 )。季節によってメインのメニューは変わる。夏はバーベキューで豚肉などを焼いたもの。9月はポレンタとポルチーノ ( Porchino ) というきのこ料理。10月は狩の肉と栗料理。秋から冬はウサギ肉の煮込みなど。

予算 : 2人でオードブルにサラミなどの盛り合わせ、ポレンタ料理、ワインを1杯ずつにコーヒー、ミネラルウォーター、1人分のデザートで90フラン ( 約9000円 )

行き方 :  ルガーノ ( Lugano ) 駅からタクシーで10分。

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ほかのお勧めグロット

ピッコロ・ビネット ( Piccolo Vigneto )  :  

イタリア語で「小さなブドウ畑」という名の通り、ブドウ畑が目の前に広がり、そこで採れたブドウで作ったワインが飲める。グロットというより田舎風レストラン。ポレンタときのこのポルチーノ組み合わせが名物。家族経営で全て手作りでおいしい。

電話 : 091 9723985 ( 予約不用。月曜日、火曜日は閉店。1月は休業 )

住所 : Albonago 6962行き方 : ルガーノ駅からタクシーで10分。

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主観塩度

1 普通
2 濃い味好み
3 血圧注意
4 チャレンジャー
5 死海風

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