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イスラエル 国連調査団の人選・任務に不満

右から緒方貞子、ソマルガ、アーティサーリの3氏 swissinfo.ch

イスラエル政府は、ジェニンの難民キャンプなどイスラエル占領地での虐殺疑惑調査団にアナン国連事務総長が任命したソマルガ前赤十字国際委員会委員長(スイス)に不満を表明、受け入れ延期を通告した。アナン事務総長は、イスラエルの人選変更・調査団派遣延期を拒否、調査団は27日にも現地入りする予定だ。

このコンテンツは 2002/04/25 09:18

アナン国連事務総長から調査団に任命された、マルティ・アーティサーリ元フィンランド大統領、緒方貞子前国連難民高等弁務官、コルネリオ・ソマルガ前赤十字国際委員会(ICRC)委員長の3人は24日、ジュネーブで準備のための会合に入った。アナン事務総長もイスラエル高官らと調査団の任務などについて話し合いに入る予定だ。

ジュネーブのイスラエル国連特使は、軍事やテロ攻撃の専門家を調査団に加えるよう要請したが、特定な人選への不満に関する公式コメントを拒否している。が、イスラエル政府筋によると、シャロン首相とペレス外相の間で反イスラエルとされるソマルガ前ICRC委員長について意見の相違があるという。24日付けの複数のイスラエル紙は、政府筋発言とするソマルガ氏派遣反対の旨を引用した。シャロン首相は、国連調査団受け入れ合意に反発するタカ派閣僚から強い圧力を受けている。が、イスラエル外交筋は、ソマルガ氏だけが問題なのではないとする。ジュネーブのレヴィ・イスラエル国連特使は、「我々は公式には調査団のメンバーについて何も聞かされていない。調査団の個人的な人選が問題なのではない。基本的にイスラエルは国連主導のパレスチナ自治区の実態調査に反対していない。」と述べた。イスラエルは、ヨルダン川西岸の町ジェニンの難民キャンプで、何百人もの民間人がイスラエル軍により虐殺され、ブルドーザーで建物ごと潰され殺されたとの主張を否定している。

ソマルガ前ICRC委員長はかつてイスラエルの人道機関「赤いダビデの星」の赤十字赤新月社連盟加盟を拒否したことから、ソマルガ氏に対して反イスラエル、反ユダヤのレッテルを貼ろうとする向きがある。ソマルガ氏が「赤いダビデの星」の赤十字赤新月社連盟加盟を認めなかったのは、記章問題が原因だ。赤十字の公式記章は、1863年アンリ・デュナン(スイス)が赤十字創設時に採用した白地に赤十字(スイス国旗の反転)と、白地に赤い三日月を記した赤新月の2種だ。赤新月は、十字が否定的な意味を持つイスラム諸国の人道機関が用いる。赤いダビデの星は、独自の記章「赤いダビデの星」が公式記章に採用されないのを不服とし約50年間正式加盟を拒否し続け、一昨年イスラエルと米国が赤いダビデの星を公式記章に採用するようICRCに圧力をかけた。が、赤十字国際委員会は、記章の多様化が進めば、紛争地で職員の生命を守る唯一の手段である記章の持つ防御力を弱めるとして否定的だ。また、もし第3の記章を採用するならば宗教色の無いものにするとしている。

記章問題の他にも、ソマルガ氏の委員長時代、ICRCはイスラエル特務機関の拷問疑惑などイスラエルの国際人道法違反を公式に批判した。さらに、ソマルガ氏退任後も、ICRCとイスラエルはパレスチナ自治区への国際人道法(ジュネーブ第4条約)適用をめぐり対立している。昨年12月に召集された国際人道法会議は、戦時および被占領地での文民の保護を定めたジュネーブ第4条約を東エルサレムなどパレスチナ被占領地に適用することを決議した。会議に出席した114ヶ国は、イスラエルに対し条約違反をただちにやめることを要請すると共に、全条約締結国は如何なる状況下でもジュネーブ条約を尊重することを宣言した。一方、イスラエルはパレスチナ自治区を「占領地」ではなく「係争地」であるとし、ジュネーブ第4条約は適用されないと主張、会議も米国、オーストラリアとともにボイコットした。

赤十字国際委員会は23日、ジェニン難民キャンプで民間人を標的とした攻撃、民間人の所有物破壊、緊急医療活動の妨害など国際人道法を侵害する行為があったことは疑いがないと発表した。

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