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カルミ・レ外相 国連総会開催中のニューヨークで

女性指導者ワーキンググループの朝食会で欧州連合 ( EU ) のベニータ・フェレロ・ヴァルトナー委員と Keystone

パスカル・クシュパン連邦大統領は、ハンス・ルドルフ・メルツ財務相が倒れたため9月16日からニューヨークで開かれている第63回国際連合 ( UN ) 総会の出席を取りやめた。しかし、スイスはアフリカ開発とミレニアム開発目標について協議するこの総会に代表を送り、対話と暴力の抑止を訴えている。

また、ミシェリン・カルミ・レ外相も現在ニューヨークに滞在中で、25日夜にハーバード大学で講演を行った。

対話を強調

 カルミ・レ外相は講演で、問題解決に向けた話し合いの持つ力について言及した。紛争当事者の間においては公正な対話の中でこそ解決の糸口が見つかるのは明白なことであり、軍事介入が正当化される事例もあるが、たとえば気候の変動などは話し合いの中で見出された約束事でのみ防ぐことが可能だと述べた。

 それ以前に開かれた記者会見でも「武装による暴力と開発に関するジュネーブ宣言」に触れた。同宣言は武装による暴力を減少させる対策を取ることを義務づけており、これまで94カ国が署名している。カルミ・レ外相は、この義務を通じてミレニアム開発目標はより達成しやすくなると述べた。また、暴力の犠牲になっているのは大半が女性であり、戦渦で特に苦しんでいるのも女性だと述べた。

 国連のミレニアム開発目標は、2015年までに貧困や飢餓に苦しむ人々の数を半減させることを主な目的として2002年に採択された。しかし、この目標を達成するのは現在のところ難しいと見られている。

 スイス代表として国連総会に出席しているのは、外務省国際組織第3政治部長のアレクサンドレ・ファーゼル氏。今回の総会開幕に際して潘基文 ( パン・ギムン ) 国連事務総長はミレニアム開発目標の達成に危機感を覚えていると話したが、ファーゼル氏も同じ意見だ。目標を達成するために、各国はより多くの努力を求められている。

 国連は各国が国内総生産 ( GDP ) の0.7%を開発協力に当てることを目標としているが、スイスも他の多くの国と同様、0.4%と目標を大きく下回っている。しかし、上院 ( 全州議会 ) は2015年までに開発協力費をGDPの0.5%に引き上げる案を採択しており、カルミ・レ外相はこれを歓迎していると述べた。下院 ( 国民議会 ) にも同様の採択を期待していると話す。カルミ・レ外相はニューヨークでいくつかの会見を済ませ、ボストンでのセミナーを終えた後、帰国する予定だ。

swissinfo、外電

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