ナビゲーション

ナビゲーションへ

グローバルメニュー

キャビアとアルプスのトンネルの熱い関係

スイス産のキャビアもお目見えするかもしれない

(swissinfo.ch)

ぜいたくな料理を象徴するキャビア。しかし、乱獲が懸念され、世界的に国際取引を制限する傾向が出てきている。キャビアのない生活なんて。スイスの金持ちがこのごちそうを諦める気は毛頭ないようだ。

スイスでも割り当てられた輸入量を守るため、2006年1月から6カ月間、キャビアの輸入が禁止されている。しかし、すでに企業の方でも手は打ってあるようだ。

 乱獲によるチョウザメの激減を懸念して各国に輸入制限を通達したのは、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(通称ワシントン条約/事務局ジュネーブ)だ。

絶滅から救え

 現在、各国は割り当てられた捕獲量に合意し、生産国のキャビア輸出量も科学的調査に基づいて算出されている。貿易業者も、輸入するキャビアが合法的に捕獲されたものかどうか確認する義務がある。

 しかし、それでも、各国に割り当てられた限界捕獲量では、チョウザメの減少に歯止めをかけられないのではないか、また輸入禁止が違法な乱獲に対して火に油を注ぐのではないか、と関係者の心配は尽きない。

スイス最初のキャビアの養殖

 スイスは世界でも有数のキャビアの輸入国である。年間輸入額は1500万フラン(約14億円)。最も高額なのはイラン産のベルーガ種で、1キログラム8000フラン(約72万円)から9000フラン(約81万円)もする。

 国内最大手のキャビア取引業者、ウゴ・ドゥブノ社は、輸入禁止措置が採られることを予想し、以前から在庫を増やしてきた。ディレクターのラファエル・レンヘル氏は、この6カ月を乗り切るだけの充分な量があると余裕の顔だ。「その後は、また通常の取引に戻れると期待しています。私たちにキャビアを卸してくれている業者は、2006年6月からはまた輸出を再開できると言っています」

 カスピ海産のチョウザメが減少しているので、最近は欧州産のキャビアも市場に台頭してきた。ウゴ・ドゥブノ社は、スイスでも最初にフランス産オセトラ種を輸入した企業の一つだ。フランス産の養殖キャビアは、カスピ海産の野生のキャビアより値段は2割ほど安い。

 オステラなど欧州産のチョウザメが6年から8年で成魚になるのに対し、イラン産のベルーガは最低でも13年かかる。「専門家はカスピ海産の品質が最高だと言っていますが、欧州産でも引けをとらないと思います」とレンヘル氏は言う。

 一方、ウゴ・ドゥブノ社はアルプスのフリュティゲン(Frutigen)で、スイスで最初のキャビアの養殖に乗り出す計画だ。

きっかけはトンネル建設

 大きな援軍となるのが2007年に完工予定のレッチュベルク・鉄道トンネルだ。これはアルプスで最長のトンネルになり(全長34.6キロメートル)、世界でも最大級のトンネル建設プロジェクトだ。

 しかし、このトンネル建設で温泉を掘り当ててしまったため、地下から毎秒150リットルから200リットルの温水が排出され続けている。そのまま川に流して捨てれば、生態系を狂わせかねない。

 トンネル完工にあたり、政府は18度から22度のこの温水を川の水の温度にまで下げてから捨てるように通達した。地元の住民はこの熱を利用できないかと頭をひねっていたが、エムヒ+ベルガー社がトロピカル・フルーツや熱帯魚の育成にこの温水を使うプロジェクトを示した。地元が、拍手喝采でこのプロジェクトを歓迎したのは想像に難くない。

 現在、トンネル建設現場から排出された温水で温められた巨大な温室の中で、パパイヤやバナナ、キンカンが栽培されているほか、適温に保たれた水槽で熱帯魚が飼われている。この温水を今度は外に持ってきて、チョウザメにちょうど良い温度の水で、キャビア養殖センターをオープンする計画だ。観光客にも公開する予定で、2006年の秋にはスイスで最初のキャビアがお目見えする見込みだ。

当局の許可が下りるのはこれから

 しかし、このプロジェクトにつぎ込まれる投資予定額1000万ユーロ(約14億円)は、実はまだ集まっておらず、新たな投資家の登場が待たれている。エムヒ+ベルガー社によると、2006年5月までになんとかこの金額をかき集め、2007年にはプロジェクトの実行許可が下りることを期待している。

 「私たちはこの分野では最高のエキスパートと仕事をしています」。エムヒ+ベルガー社のペーター・フフシュミート氏によると、このプロジェクトでは様々な種類のチョウザメの養殖に挑戦するという。

 このキャビア養殖プロジェクト(通称トロッペンハウス、Tropenhaus)が生み出す雇用は10人から20人。ここで作られたキャビアは地元のお土産屋さんやレストランで売られるという。

swissinfo、ジュリー・ハント 遊佐弘美(ゆさひろみ)意訳

キーワード

キャビアはチョウザメの卵。
チョウザメの先祖は恐竜で、成魚は約7.6メートル、寿命は100年ほどにもなる。

インフォボックス終わり


リンク

Neuer Inhalt

Horizontal Line


subscription form

この外部リンク先サイトのコンテンツは、当該リンク先サイトの管理者にあるため、アクセシビリティに対応していない可能性があります。

ニュースレターにご登録いただいた方に毎週、トップ記事を無料で配信しています。こちらからご登録ください。

swissinfo.ch

この外部リンク先サイトのコンテンツは、当該リンク先サイトの管理者にあるため、アクセシビリティに対応していない可能性があります。

×