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クロス航空墜落で問われるチューリッヒ空港の着陸用滑走路

ベルリン発チューリッヒ行クロス航空3597便が24日着陸前に墜落したことから、チューリッヒ空港の夜間着陸用滑走路へのアプローチ過程での安全性問題が浮上してきた。

このコンテンツは 2001/11/27 08:15

クロス航空3597便は24日午後10時過ぎ(現地時間)、悪天候の中チューリッヒ空港の夜間着陸用滑走路Runway 28にアプローチ中に墜落、炎上し、乗っていた乗客28人、乗員5人の計33人中24人が死亡、9人が燃え上がる残骸の中から自力で脱出した。

チューリッヒ空港のスポークスマンによると、Runway 28は20年前から使用されている。が、10月に長年ドイツと争ってきた夜間の騒音減少のための合意協定が締結され、この合意協定により午後10時以降の着陸はRunway 28に限定された。パイロットらの証言によると、Runway 28への夜間着陸は、昼間の着陸よりも数倍の集中力が必要で、はるかに複雑だという。元スイス航空機長のブルナーさんは、「Runway 28は、特にアプローチが危険な滑走路というわけではないが、集中力が必要だ。ちょうど、車で広い自動車専用道路を走るのと山道を走る時の違いのようなものだ。どちらの道を通っても目的地には到着できる。が、山道を行く場合はより集中力が必要だ。」と解説してくれた。

さらに、パイロットらは、Runway 28には着陸を誘導する計器着陸装置(ILS)が装備されていない事も問題だと指摘する。ILSは悪天候で視界がきかない時に有効だという。ブルナーさんは、雪や低い雲は墜落の原因にはならないと次のように語る。「雲の中でも操縦はできる。視界ゼロでも、見える目標物がなくても飛ばすことはできる。が、着陸時だけは、空港から3.8kmほどの地点から着陸用滑走路の灯が目視できなければならない。」。パイロット達はかねてからチューリッヒ空港当局に、Runway 28に早急にILSを装備するよう要請してきたと、ブルナーさんは言う。が、「国際民間航空機関(ICAO )は、毎日使用される滑走路へのILS装備を推奨している。Runway 28は独との航空合意協定が結ばれて以来、毎日夜間着陸に使用されることになった。ILS装備前のこの政治合意は早すぎた。」と、政治が事故の一因でもあるとブルナーさんは指摘する。

これに対し、モーリッツ・ロイエンベルガー運輸エネルギー環境相(大統領)は、独との航空交渉をめぐる政治合意と事故は何の関係も無いと、批判を退けた。また、民間航空局も、「Runway 28は独との合意前から使用されており、以前から西からの強風の中でパイロットらは着陸していた。合意後もコンディションは何ら変わっていない。」と政治と事故の関連のなさを主張している。

チューリッヒ空港は、Runway 28のILS装備を検討しているが手続きその他で完成までには最長18ヵ月要するとしている。

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