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スイスからエーデルワイスが姿を消す日

紫の花が咲き、岩に張り付く苔のように生えるサキシフラガ(ユキノシタ科/標高800m〜3800mに群生)は暑さに弱い。

(swissinfo.ch)

地球温暖化の兆候の一つとしてアルプスの多くの氷河が溶け、猛烈な勢いで縮んでいることが挙げられる。スイス国立科学基金が主催したグリンデルワルドの国際会議では温暖化がどのように高山植物の存続に影響するかが話し合われた。

このまま、温度が上昇すればエーデルワイス、アルペンローゼやサキシフラガといったアルプスの高山植物が山から姿を消すことになるだろうと温暖化を研究している科学者は見ている。

気候変動による植物生態の移動

 ウィーン大学の科学者、ゲオルグ・ブラーブヘル氏は「もし、地球の温暖化が続けば、欧州では植物の生息地が北と東方にシフトする」と確信している。気候条件を考慮すれば地中海気候に繁殖する植物が中央ヨーロッパへ移住することになる。ブラーブヘル氏は「最後の氷河時代後の森林生息モデルを見ると主要な木の種類が毎年、平均200メートル上昇していった」という。

追いやられる高山植物

 同氏が行った高山植物の研究によると、このシフトはすでに始まっている。侵略してくる新種の植物に追われ、高山植物は高度が上へ上へと山頂に近づくと観察する。ブラーブヘル氏は「問題は南部の植物が本当に北で生き残っていけるのか」だと警鐘をならす。

 外から侵略する植物がなくとも、高山植物は暑い気候と降雨量の減少で危機にさらされている。「今年の夏の猛暑でこれらの植物の多くの生息地が危険にさらされている」といい、サキシフラガなど岩の上に苔のように生える植物は暑さと乾燥で生息地を無くしてきているという。

生息地の保護は可能か?

 コロラド大学アルプス研究所のマルクグラーフ氏は「絶滅危機の植物を守るための環境保護をしても徒労だ」という。それは気候変動でどの場所がどう変わるかを予測するのは不可能だからだ。しかし、フリーブル大学の地理学所長、マルタン・ベニストン氏によると「複雑な天候、気候変動とアルプスの環境への影響に関する研究が進んできた」と語る。同氏は「今年、体験した夏などは将来どうなるかを警告している」と神妙な顔で語った。


スイス国際放送、ダーレ・ベヒテル(意訳、屋山明乃(ややまあけの))


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