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スイスに進出する意味 グローバル事業統括を目指して サンスターグループ

「桂君は朝、日本と、昼間はヨーロッパと、そして夜はアメリカと仕事ができていいですね」とCEO金田氏に言われたという swissinfo.ch

サンスターグループは2002年10月、ヨーロッパ事業の統括地にスイスのローザンヌ近郊を選んだ。将来はここからグローバルに事業を統括したいという。

このコンテンツは 2006/09/25 15:25

爽やかな笑顔でインタビューに応じてくれたのはサンスターグループ、スイスの秘書役で、法務部門のヘッドでもある桂誠司 ( かつら せいじ ) 氏、46歳。

いまからちょうど3年前、「初代の移民」として仲間7人と「四畳半一間」のホテル暮らしをしながら、候補地探しを始めたという。現在はローザンヌ近郊で、従業員24名を抱えるオフィスとして安定し、オーラルケア関連商品の販売、ヨーロッパ事業統括等を行っている。スイスフランス語圏への日本企業進出という数少ないケース。進出の経緯、今後の展望を語ってもらった。

swissinfo : まずサンスターといえば、オーラルケアというイメージですが、そうですか?

桂 : あまり知られていませんが、サンスターはもともと1941年に自転車用ゴム糊 ( のり) の製造販売からスタートしました。ゴム糊を入れる金属製のチューブがもともとあって、そこに練り歯磨きを入れたのです。これが「サンスター歯磨き第一号」です。でも自転車部品製造販売も拡大し、現在サンスター技研株式会社となっています。

1988年に、歯ブラシのバトラー社 ( Butler ) を買収して、今「GUM」という、歯周病予防の製品が目玉商品のひとつです。

サンスタースイスはオーラルケア関連商品の製造販売のヨーロッパ事業 ( スウェーデン、フランス等 ) の統括等をしています。

Swissinfo : なぜスイスを拠点に選ばれたのですか?

桂 : たくさんの理由がありま。まず、4~5年前WHOと提携して、「お口と全身疾患」というシンポジウムを開きましたが、サンスターはお口と他の病気の関連 ( 歯周病と糖尿病の関連など ) を以前から考え、体の自然治癒力を助ける青汁等も作っています。そこで、スイスのハーブを使ってなにかできないかということを、もう20年も前から、最高経営責任者 ( CEO ) はスイスを何度も訪れながら、考えておられました。

また、CEOの経営哲学のひとつに「One and Only in Uniqueness」があります。質とユニークさで勝負するという立場は中立国スイスのあり方と同じでしょう。だからCEOはスイスがとても気に入っているのです。スイス的経営哲学を持つ我が社はスイスからグローバル事業を統括できるのではと考えたのです。

そして、何度もスイスを訪れるうち、スイスフランス語圏の外国企業誘致を推進する組織 ( DEWS ) の責任者であるフランシス・セルメ氏と知り合いました。彼がいろいろ援助してくれたことは重要でした。

swissinfo : でもなぜスイスフランス語圏なのですか?

桂 : DEWSの会長を知っていたことが、第一の理由かもしれませんが、CEOがネスレ社の経営等に大変興味を持っておられたことや、P&G社やコルゲート社の拠点があるジュネーブにも近く、WHOなどの国際機関も多くあることなどが間接的理由でしょうか。

swissinfo : 実際にここでスタートされて、いかがですか?

桂 : 満足しています。スイス人はとても勤勉です。それと、言葉です。ある程度の地位にある人はフランス語、英語はもちろん、スペイン語など数カ国語ができます。これは、とても重要です。

また、ヨーロッパはもともとアメリカ型経営と日本型経営の中間にある気がします。サンスターはアメリカ型経営のいいところと日本の会社のいいところ、例えば、労使協調などの方針は残したいのです。その点特にヨーロッパは経営に柔軟性があって、とても良い。

swissinfo : 今後の展望は?

桂 : 今はヨーロッパ事業の統括ということで、日本の本社の子会社という形をとっていますが、CEOは将来、スイスからグローバルに事業を統括したいと考えています。そうなるとオフィスも、もっと充実して、従業員も増えるでしょう。

CEOの展望にはすごいものがあります。ただこうした、CEOの理想、彼の「DNA」を受け継ぐには、それを理解する人、日本の文化も分かり、グローバルな観点も持てる人が必要です。

今までは、幸いにもそういう人がいたのです。「サンスターのグローバル化の父」といわれたイタリア人のアルハデフさん。彼は初代日本のオリベッティの社長でしたが、退職後サンスターでグローバル化を押し進めました。彼もスイスからのマネージメントを推薦したのです。こういう人材がもっと必要になるでしょう。

最後に、スイスからグローバルに事業を統括しているというイメージをはっきりさせるため、ハーブなどを利用した「made in Switzerland」の製品の商品化が急がれています。

Swissinfo、聞き手 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) ローザンヌにて

補足情報

-<サンスターグループ>
-最高経営責任者 ( CEO ) 金田博夫氏
-総売り上げ1195億円 ( 2005年 )
-従業員数3500人
-<サンスタースイス>
-2002年10月、ローザンヌに設立、その後ローザンヌ近郊に移転
-従業員数24人
-資本金3100万スイスフラン ( 約29億円 )
-売上高約8000万スイスフラン ( 約75億円 )

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