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赤十字国際委員会、2018年の人道支援に20億フラン必要

シリアの人道支援活動
Keystone

スイス・ジュネーブにある赤十字国際委員会(ICRC)は、2018年の人道支援活動費として少なくとも20億フラン(約2300億円)が必要だとしている。シリアや南スーダン、イエメンの紛争や暴力で被害を受けた人々を支援するためだという。

 17年の活動予算より11.6%増の資金を要請。先月末、ジュネーブで開かれた会合でICRCのペーター・マウラー総裁は、集まった支援者に「ICRCは今日世界が直面する紛争の数、規模の大きさに深い懸念を抱いている」と発言。「紛争や暴力の下にさらされた数百万人もの人々が短期、長期的な影響を受けている。これらの紛争がニュースで頻繁に流れる一方で、多くの顧みられない人たちがいる。こうした人たちが忘れ去られないためにも、支援者のサポートを要請したい」と語った。

 ICRCは80カ国以上で、世界の紛争や暴力の被害にあっている人たちの人道支援に当たる。職員数は約1万6千人。うちジュネーブ本部に1千人が勤務する。

 ICRCが世界中で展開している人道支援活動資金は、そのほとんどが各国政府からの任意の拠出金でまかなわれ、欧州連合(EU)の欧州委員会を加えると全体の94%以上を占める。2016年の人道支援活動資金は16億6570万フランだった。

(英語からの翻訳・宇田薫)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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