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ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ

卵の棚
Keystone-SDA

スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。

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東部地域を管轄するミグロ・オストシュヴァイツが、ヘリザウ当局に必要な申請書を提出したと発表外部リンクした。承認が下りれば、この夏に試験営業を開始する。

ヘリザウのアルプシュタイン通り店を、これまでの営業時間(平日午前7~午後7時、土曜同~午後6時、日祝は休業)は有人で、それ以外はセルフサービスで営業する。セルフサービスの時間帯に入店するには、デビットカードかクレジットカード、およびミグロの会員コード(Cumlus Code)が必要になる。

支払いはセルフ会計かミグロのアプリで行う。店内はカメラやセンサーで監視する。店内の急病・怪我人の発生も自動認識し、通報できる。

高まる需要

年中無休店舗の試行は、柔軟な定業時間を求める顧客の声に応えるもの。ミグロ・オストシュヴァイツの広報は金融系通信社AWPに対し、ミグロ系列の小型無人店舗「Teo」が「成功し人気を博した」ため、次の段階に進むことにしたと語った。アルプシュタイン通り店はTeoの技術を使い、スイス全国で初めての24時間・365日営業スーパーとなる。

Teoは売り場面積50~100平米の小さな木造建物に自動販売機を並べた店舗で、24時間買い物が可能。ミグロは2022年からTeoを展開しており、現在全国に8店舗を抱える。

ヘリザウのアルプシュタイン通り店も比較的小さな店舗で、295平米の売り場で約7000品を販売する。現在8人を雇用し、夏からは9人に増やす。有人営業中は従業員が棚を補充するが、無人営業中に売り切れた場合、買い物客は有人営業時間まで待たなければならない。

アルプシュタイン通り店はヘリザウ中心部と郊外を結ぶ幹線道路沿いにあり、往来は多い。ハイキングなどを楽しめるアッペンツェル地方の観光エリアに位置する。

チューリヒの日曜営業に違法判決

試験営業には当局の許可が必要だけでなく、既存店舗の改造工事や営業時間の表示変更、自動販売機の設置なども済ませなければならない。法的な条件は州や自治体により異なる。

全ての手続き・工事が完了したら、ミグロは改めて試験営業の開始日を公表する。

ミグロはチューリヒ州での日曜営業に待ったをかけられたばかりだ。チューリヒ州行政裁判所は同州内の2店舗での日曜営業は違法だとの判決を下した。労働組合のウニア(Unia)が日曜販売の禁止に違反していると訴えていた。

ミグロのほかにも24時間営業への進出をうかがっている。ヴァローラ(Valora)は、鉄道駅で24時間のコンビニ型店舗「Avec」を展開。チューリヒでは日曜もアプリを使って入店できる無人店舗を運営する。ただ現在は防犯上の理由で一時的に夜間営業を見合わせている。スパー(Spar)も同じ理由でチューリヒやグラウビュンデン地方の自動販売機型無人店舗を閉店した。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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