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スイスの農業 政府の助成求める

スイスの農民は新しい変化に順応する用意はあるが、関税が無くなってしまえば、安い輸入農産物には敵わないという

(Keystone)

スイスの農業は険しい道に立たされている。高いコスト、下がる価格と現在、世界貿易機関(WTO)で交渉中の、国外からの輸入農産物の関税撤廃などがスイスの農業の存続を脅かしているとして、政府の支援を呼びかけている。

1月5日にフリブールで年会合を開いたスイス農業者連盟は、「スイスの農業は新しい状況に対応して変化して行く覚悟はあるが、政府の援助なしではどうしようもない」と訴えている。

 「スイスの農民の80%は農業以外の分野で働くことで、もっと収入が得られる」と語るのはスイス農業者連盟の事務局長、ジャック・ブルジョワ氏だ。既に、スイスでは兼業農家が多く、政府の農業構造改革により3分の1の農家が廃業した。

変化に適応する準備

 また、スイス農業者連盟の会長ハンスイェルク・ヴァルター氏によると「農民は競争力をつけ、時代の変化に適応する準備はできています。多様化し、より専門的になり、隙間市場を狙いたいのです」と語る。

 ヴァルター氏によると、ここ15年間で、農業分野ほど大きく変化した経済分野はないという。同氏は農業の経営コストを下げることがまず大事だという。卸売り業者が買い取り価格を下げているため、農民のマージンは下がるばかりだからだ。前出のブルジョワ氏は「我々はEU諸国の消費者に比べると住宅、ガス、電気、水道代など全て2倍近く払っているのです」とコスト高を強調する。

 スイス農業者連盟は、農業コストを下げるには農業機械などの設備の並行輸入を認めることやスイスが昨年に発表した「2011年農業政策」の幾つかの手法の見直しを求めている。

政府の改革案の酷評

 国の補助金を受けているスイス農家に競争力をつけることを狙いとした「2011年農業政策」は昨年、政府が発表して以来、農業分野に従事している人々から酷評を受けている。

 スイス農業者連盟もスイスの農業存続を脅かすものだとし、この構造改革案が実行されれば、農業分野の収入の25%減少に繋がる多大なダメージを予想している。このため、農民は環境や景観の保持や過疎化を防ぐなど農業が持つ多面的な機能も考慮して直接援助が補償されなければならないと主張している。

気がかりなWTO交渉

 先送りになっているWTOの農業交渉もスイス農民の頭痛の種だ。スイス農業者連盟は輸出補助金の廃止には反対していないが、農産物の輸入関税の廃止には大反対している。

 同連盟は「WTO交渉でもEUとの二国間交渉でも、効き目のある関税を維持することがまず、優先されるべき」とみる。何故なら、スイスである程度の自給自足システムを維持していきたい場合は、小さなスイスの農家では米国やブラジルなどの大規模農家と価格の面で張り合うことができないためだ。


swissinfo、外電 屋山明乃(ややまあけの)意訳

補足情報

<スイス農業事情>

- 1990年にはスイスは8万件の農家があったが、現在では6万5千件に減っている。

- スイスでは毎日、5件づつ農家が減っているといわれる。

- 2001年にはスイス人口(約740万人)の4.1%が農業に従事している。

- スイス政府は2003年から2007年まで補助金140億フラン(約1兆2500億)を農業分野に使う予定だ。

- 2008年から2011年までには、スイス政府はこの補助金を134億フラン(約1兆1900億円)に削減する予定だ。

- 2003年にはスイスの農業は国内総生産(GDP)の1.4%を占めた。

- スイスの農家の年間平均収入は3万6700フラン(約327万円)で専業農家としてやっていくのは難しい。

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