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スイス株式市場で3年ぶりの安値

火曜日のスイス株式市場は赤一色 Keystone

7月15日、スイス株式市場はおよそ3年ぶりの安値を記録した。金融危機拡大やアメリカの景気後退への不安から、一時3%近くのマイナスとなった。

欧米の経済鈍化に加え、米連邦準備制度理事会 ( FRB ) のベン・バーナンキ議長がインフラや景気後退に対する警告を発したことが今回の過敏な反応につながった。連邦準備制度 ( FRS ) は、2008年の経済成長は控えめで、景気はこの2年間でゆっくりと回復すると見込んでいる。

大打撃は金融関係に

 スイスマーケット指数 ( SMI ) の終値は前日比1.7%安の6561.98ポイント。ブルーチップ 指数は一時、2005年8月以来最低の6478.41ポイントまで下落した。スイスパフォーマンス指数 ( SPI ) は1.76%安の5500.76ポイントで終了。

 スイス大手銀UBSの株価は6.3%安の18.30フランに、また第2大手「クレディ・スイス ( Credit Suisse ) 」も4.5%のマイナスで39.72フランとなった。金融以外でも、食品大手のネスレ ( Nestlé ) や重機大手のABBがそれぞれ1.4%および2.6%のマイナスに終わった。

 機械メーカーの「スルザー ( Sulzer ) 」は、今年前期の受注量が期待通り6.1%増加したにもかかわらず、株価はやはり4.8%下がった。あるブローカーは、
「今のような状況では、期待通りの増加だけではもはや不十分だ」
 と言う。
 
 バイオテクノロジー企業「アクテリオン ( Actelion ) 」は14日、イギリスの製薬大手「グラクソ・スミスクライン ( GlaxoSmithKline ) 」と協業の合意に至ったことにより、新しく開発された不眠薬「アルモレキサント ( Almorexant ) 」の市場参入が大幅に拡大された。しかし、同社の株価も下落を免れず、5.6%安の51.45フランに下がった。

 化学薬品の「チバ ( Ciba ) 」は、アメリカの投資銀行「メリルリンチ ( Merrill Lynch ) 」が同社株の売りを勧めたことから、6.7%のマイナスとなった。半導体メーカー「ミクロナス ( Micronas ) 」も5%安。同社は根本的な組織改革の真っ最中で、第2四半期も赤字だった。

 大手企業が軒並み株価を下げる中、唯一、1.1%とわずかながらも株が上昇したのは製薬企業の「ロシュ ( Roche ) 」だ。

swissinfo、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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