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スイス 死刑廃止をサポート

(Keystone)

10月10日は世界死刑廃止デー。この日を記念し、2010年の「第4回死刑廃止世界大会」の開催地ジュネーブで10月9日、元死刑囚の証言と同大会の開催計画が発表された。

死刑廃止世界大会を企画するのは、フランスの非政府組織 ( NGO ) 、「死刑廃止連合 ( ECPM ) 」だ。2007年の第3回大会に出席したミシュリン・カルミ・レ外相は、第4回大会をスイス政府がサポートしジュネーブで開催することを約束した。

イラン、サウジアラビア、中国、パキスタン、アメリカの5カ国

 「アメリカの、死刑囚だけが収容される特別な牢獄『死の廊下』で5年間を過ごした。部屋の外に点いているランプが消えるとその部屋で死刑が執行されたことが分かる。それが与える精神的苦痛は、拷問にも等しいものだった」
 と、2001年まで死刑囚として過ごしたヨアキム・ジョゼ・マルティネス氏は目に涙を浮かべ、当時の状況を証言した。

 マルティネス氏は1996年麻薬密売者殺害の罪に問われた。無実を証明するには優秀な弁護士を雇うため約50万ドル ( 約4500万円 ) が必要だった。結局出身地スペインを中心に広がったマルティネス氏を救うキャンペーンで集まった資金で救われた。現在「釈放されただけでは十分ではない」と死刑廃止の運動に従事する。

 「40年前、世界の7割の国が死刑を執行していたが、今日それが4割に減少したことは歴史的な出来事だ。しかし今日まだ、イラン、サウジアラビアなどの中東地域と中国、日本などのアジア地域、そしてアメリカが多くの死刑執行を行っている」
 とECPMのマリー・フランソワーズ・サンタレリ氏は語った。

 国際的な人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル ( Amnesty International ) 」によれば、2008年には25カ国で約2390件の死刑執行が行われ、そのうちの93% をイラン、サウジアラビア、中国、パキスタン、アメリカの5カ国が占めている。また、中国が数の上では一番多く、全体の72% を占め1718件を数える。 

 しかし、中国は以前に比べ僅かだが、状況が良くなっており、反対にイランが未成年などの若年層、女性などにも死刑執行を広げ、状況の悪化がみられるとサンタレリ氏は言う。

外交政策の具体的な表現

 一方世界的にみると、現在139カ国が死刑を廃止している。ヨーロッパでは、欧州連合 ( EU ) と欧州評議会 ( EC ) の加盟国は1997年から死刑廃止の義務があり、従ってヨーロッパの国のほぼすべてが死刑を廃止している。

 スイスも1942年に死刑を廃止した。死刑廃止に対するスイス政府の姿勢を、外務省第4課長ルドルフ・クノブラウフ氏は「外交政策の大きな柱の一つに、死刑廃止を世界的に広めていくことがある」と語る。

 実際、スイス政府は外交の場で、特に2国間の話し会いが行われる場合には人権の擁護と死刑廃止を訴え続けているとクノブラウフ氏は言う。

 さらに、
「モロッコやアルジェリアなどの北アフリカの国々では、死刑は存在するが実質的に執行がほとんど行われず死刑囚が長期に牢獄にとどまっている。こうした国を優先して、スイスは死刑廃止を促している」
 と説明する。

 2007年パリでの第3回死刑廃止世界大会には、世界からNGOのみならず、政治家、弁護士などおよそ1500人が集まった。その場に出席したカルミ・レ外相が第4回大会のスイス開催を約束した。

 同大会を「スイス外交政策の明白で具体的な表現になる」とクノブラウフ氏が話すように、スイスはホスト国として開催資金の半額を負担し、またテーマ決定などで全面的協力を行うことになる。

 2010年2月24日から26日までの3日間の日程で開催される大会は、死刑廃止の世界的運動の広がりを強化し、国際的に共通する対策を探る。具体的には、死刑廃止の目的に向けて国連 ( UN ) や欧州評議会などの国際機関とNGOとの連結を高めること、死刑執行を継続する国から国会議員など政治家を招待すること、またそうした国への働きかけを強めることなどが計画されている。

里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 、swissinfo.ch

死刑執行の状況

世界的には現在139カ国が死刑を廃止しているが、1976年には僅か16カ国だった。

欧州連合 ( EU ) と欧州評議会 ( EC ) の加盟国は1997年から死刑廃止の義務があり、従ってヨーロッパの国はほぼすべてが死刑を廃止している。

スイスは1942年来死刑を廃止している。スイスはEU加盟国ではないが、欧州評議会の加盟国。

スイスの最後の死刑執行は1940年で、警官を殺害したオプヴァルデン州の男性が死刑になった。

2008年の調査では、59カ国がまだ死刑執行を続けている。民主主義国家でまだ死刑を継続している国は5カ国。アメリカ、日本はその5カ国中に数えられる。

国際的な人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル ( Amnesty International ) 」によれば、2008年に25カ国で約2390件の死刑執行が行われた。

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死刑廃止世界大会

フランスの死刑廃止連合 ( ECPM ) が「死刑廃止世界大会」をスタートさせた。また、3年前から死刑に反対する世界の団体から成る「死刑廃止世界連合 ( World Coalition Against the Death Penality ) 」も組織し、今日100の非政府組織 ( NGO ) がメンバーになっている。

第1回大会は2001年フランスのストラスブールで、第2回大会は2004年カナダのモントリオールで、第3回大会は2007年パリで開催された。

第4回大会は2010年2月24日から26日までの3日間、ジュネーブで開催される予定だ。

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