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スイス 第2次大戦中ナチスドイツに武器供給

ナチ政権の金の国外持ち出しはスイス国立銀行経由で行われた Keystone

第2次大戦中のスイスの活動を研究する独立専門家委員会(ICE )が刊行した最新の研究書7巻で、スイスはナチスドイツに大量の武器を供給していたこと、またスイスはナチスによる金の国外持ち出しの「洗浄地点」であったことが明らかにされた。

このコンテンツは 2002/03/25 10:51

ICEは22日、ベルンで第2次大戦研究全25巻の最終7巻の発表を行った。それによると、開戦前はスイス製の武器のほとんどは連合国に輸出されていたが、開戦後の1940年から1944年までは84%は枢軸国に、16%は連合国および中立国に輸出されていたことが明らかになった。中には国内市場を犠牲にして、収益の大きい輸出向け生産を優先させた企業もあった。が、対ナチス武器輸出は、国内の原料備蓄を涸渇し中立法を侵害するなど国としては利益はなかった。

また、スイスはドイツからの金の国外流出の「洗浄」地だったことが明らかにされた。大戦中の(第三)帝国銀行の金の国外持ち出しの77%はスイス経由だった。またスイスを経由した金の94%、総額17億スイスフランは、中央銀行であるスイス国立銀行(SNB)で中継処理され、45年にSNBがドイツからの金を受け入れないようにとの連合軍からの強い圧力に屈するまで続けられた。SNBは、金の一部がナチの絶滅政策の犠牲者から奪取されたものだと承知していたという。

さらに、スイスの銀行は、ナチスのアーリア純化計画を支援していたことも判明した。クレディ・スイスとスイス銀行(Swiss Bank Corporation。旧UBSと合併し現UBSを創設)はユダヤ系の金融機関との取引を婉曲に拒否する程度だったが、旧UBSはドイツの利益代表にナチ党員を雇用した。が、いくつかの局面では、スイスの銀行はユダヤ人の資産のスイス送金とナチの手の及ばない所への隠匿に協力したのも事実だった。

ICEは、第2次大戦中のスイスの外交政策は、中立政策を明らかに侵害していたことを示した。政治的・経済的に中立を宣言する一方で、主要輸出市場はドイツで武器輸出で利を上げていた。連合国との取引も続けてはいたが、41年以降は枢軸国に南北から囲まれた地政学上の理由から、スイスの貿易バランスはドイツ有利に傾いて行った。

歴史研究家50人で構成されたICEは、5年間の研究調査で第2次大戦中のスイスの難民政策、スイス企業独支社でのナチ強制収容所囚人の強制労働、スイス企業とナチ政権の癒着などを明らかにした。が、退役軍人や右派政党から、スイスの集団的罪悪を証明など誰も欲していないと委員会創設時から批判している。

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